【斉藤病院 青嶌 亜矢子】

「何を食べてもいいんだよ」

 

 当院は開院以来、豊田市北部、およびその周辺地域の医療を支えるべく、
病院業務の充実と向上に努めてまいりました。
元来、"若い人の多いまち"と言われていた豊田市ですが、
まちの成熟に伴い、住民の高齢化が進んでいます。
加えて、故郷からご家族を呼び寄せる方も増えており、高齢者医療へのニーズは高まる一方です。

 当院では、地域性の変化をとらえ、
急性期医療、慢性期医療のいずれにも対応できるように、体制の確立に取り組んでいます。

 

saitohospital.JPGのサムネール画像のサムネール画像 栄養指導というと、患者さんはがっかりしてしまいます。
「あれは食べてはいけない、これは飲むな」と言われると思うからです。

 しかし、実際はそんなことありません。
例えば、「卵はコレステロールが高いから絶対食べてはいけない」なんて言いません。
卵はとても良質の蛋白が多いので、食べて元気をもらう手はないと考えています。
ですから、食べ過ぎに注意してもらえば良いと思っています。

1日卵を1個にするのか、2日に1個にするのかは、
その患者さんのコレステロール値や生活パターンによりますので、一概に決めつけることはできません。
そこは、栄養指導中に一緒に考えていきます。
その人が1人暮らしなのか、自炊はできるのか、生活リズムはどうなのか等を考慮して、
その人に出来る事を一緒に考えるようにしています。 

 考えた結果、それでは何の効果も期待出来ないのではないか、
という事でも、今回は良しとします。
1つでも今の生活を変えることで、
患者さん自身が自分の身体を大切に思う意識が出来れば良いと思っています。

 そして、2~3ヵ月後に採血をしてもらい、
その結果を見て、効果があれば続けてもらい、
効果がなければ、何か違う事で、実行できる事を一緒に考えるようにしています。

 コレステロール値が高い方の中には、
標準体重を超えてしまっている人が少なくありません。
そのため、減量をしなくてはいけないのですが、「何を食べたら良い?」と言われる事がよくあります。
そんなとき私は、
「何かを摂り過ぎて体重が増えたのなら、その何かを減らして体重を落としましょう。」 と言っています。
スポーツドリンクや牛乳の飲み過ぎ、テレビを見ながらせんべいやみかんをつまんでいる等、
1日のうちで口にしている物をしっかり把握して、
これはやめられると思う物を見つけてもらい、実行してもらいます。

 ただ、どんなに素晴らしい生活をしていても、数値が高く出てしまう人もいます。
そういう人は、薬をしっかり服用してもらいながら、今の生活を続けてもらいます。
同じ食生活をしていても、効果が出る人と出ない人がいるので、そこは臨機応変です。

コレステロール値が高いと言われても、その時は痛くもかゆくもありませんが、
放っておけば動脈硬化などの病状が出てくるかもしれません。
そのため、食事療法は、ずっと続けていく必要があり、
患者さんの生活のひとつとして、組み込めるものでなければいけないと思っています。

後で後悔しないで済むように、
今、生活を変える必要があることに気付いてもらいたいと思っていいます。

そのためのお手伝いが出来るような、栄養指導をこれからもしていきたいと思っています。

 

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氏名 青嶌 亜矢子
勤務先 医療法人豊寿会 斉藤病院
経歴 椙山女学園大学 卒業
生年月日 1977年9月29日
血液型 O型
趣味 音楽鑑賞
好きな言葉 吾唯足知
モットー いつも笑顔で