【札幌太田病院 佐藤 康子】

「目標達成のお手伝い」

「なかなか体重が減らないんです」
「10kgも太ってしまいました」
患者さんから、そんな声をよく聞きます。

 当院は札幌市の中心部に近い、西区の住宅地に建つ、精神科病院です。

image_12_1_org[1].jpg3つの精神科ディケアと精神科ナイトケアをもち、
そこに通所している患者さんを対象に、
糖尿病教室、ダイエットプログラム、栄養についての講義など行っております。
 中でもダイエットプログラムには、
統合失調症の患者さんが多く参加されており、
生活習慣と同時に、非定型抗精神病薬の副作用が、
肥満、高血糖、高コレステロールのハイリスクと考えられ、
精神症状を考慮しながら、多方面からのアプローチが必要となります。
 
栄養計算や調理指導はなかなか受け入れることが難しい方が多く、
行動変容を目的にした栄養指導を心がけています。

 コレステロール値が高い方は、太っていることが多いため、
皆で楽しみながら減量することを目的とするダイエットプログラムへ
参加されるよう、お勧めします。
ダイエットプログラムでは、
まず最初にそれぞれの目標を自分で設定して頂きます。
殆どの方が、半年間で3~5kgの減量を掲げます。
プログラムの前日に何を食べましたか?の質問を投げかけ順に答えて頂き、
他者の食事内容を聞くことで、自分の食習慣を認識して頂く狙いがあります。

・服薬の影響で口渇となり、缶コーヒーや炭酸飲料を大量に飲んでしまう方。
・空腹感を覚え夜中にカップラーメンや冷凍ピザを食べてしまう方。
・1度の食事量が2人分の方
・甘い菓子類を夕食後食べる習慣のある方
・3食とも菓子パンや丼物の方      
など、炭水化物と脂肪中心の偏りが見られ、
高コレステロール、高中性脂肪、高血糖へと繋がっています。

 

・嗜好品や飲料に含まれている糖分の量を見せる
・摂り過ぎている揚げ物やファーストフードの脂肪が、
 体内でどのように変化していくかを示す
・夜中の空腹感への対応に温かな牛乳やお茶を勧める
・日頃余り食べられていない食物繊維が、実は万能選手だと伝える
・食事と共に重要な運動からの基礎代謝アップを心掛ける

など述べていきます。

 

 そして、各自が自分の食習慣や生活スタイルで改善できることを考え、
次の週の目標を立てて頂きます 。
できてもできなくとも、1人1人が考え、
言葉にして皆の前で発表することが大事だと思っております。
1週間の目標を達成した方は、体重測定で数値として結果がでる為、
モチベーションアップにも繋がります。

 患者さんの中には外食や惣菜を購入して食べている方が多いので、
減量目的の食品の選択方法や食の偏りを
どのように補うかなどをアドバイスしていきます。
自分で少しでも挑戦してみたいと思って頂けるよう、
背中を押してあげる関わりを意識しております。
 まずは、自分の行動パターンを知り、
どこの部分を改善できるか共に考えていく過程が難しくもあり、
私自身の学ぶところでもあります。

 食事面だけの指導ではなく、
健康運動療法士の協力を得て食事と運動の連携を図っています。
また、メンタル面は看護師や心理士のフォローを頂き、
多職種によりプログラムが成り立っています。
患者さんは栄養の知識は豊富です。
 あとは、実行して頂けるよう、
目標達成のお手伝いが管理栄養士の役割だと考えております。
結果が出たときの皆さんの笑顔がなによりの喜びと同時に、
長期の関わりが必要であると気持ちも新たにします。
そして、次の目標設定に繋げていき、
1歩1歩進んで行けるよう努めてまいりたいと思っております。

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氏名 管理栄養士 佐藤康子
勤務先 医療法人耕仁会 札幌太田病院
経歴 駒澤大学苫小牧短期大学 卒業
生年月日 1966年1月9日
血液型 AB型
趣味 映画鑑賞 マラソン
好きな言葉 吾唯足知
モットー 前向き志向