【飯塚病院 松岡 希予美】

コレステロールが高い方への食事指導について

<基本的な食事指導の内容>
① 食べ過ぎ厳禁、エネルギー摂取量の適正化。
② 油もの(脂肪)は控える。
③ コレステロールを多く含む食品を控える。1日300mg以下(病態により200mg以下)
④ コレステロール値を上昇させてしまう食品を控える。
⑤ コレステロール値を下げる効果が期待出来る食品を積極的に摂取する。
⑥ 食物繊維を1日25g以上摂取する。
等々。

これらを基本として注意しながら日々の食生活を送って欲しいと
具体的な食品等を紹介しながら食事指導を行っています。

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<動脈硬化の進行を防ぐ>
患者さんへの意識付けとして『動脈硬化の進行を防ぐ』ことも
大きな目的となることをお話させて頂きます。
その大きな原因が先の述べたコレステロールとなる為、
食生活の中におけるコレステロールの摂取、
含有量の多い食品や料理へ注意を促します。
 より予防的効果を求める上では
「悪玉コレステロール」とも言われるLDLコレステロール、
またTG(トリグリセリド)も高値を示しているのであれば
これらの改善も忘れてはいけない重要な課題となります。 
ここで先に示した
①の摂取エネルギーの適正化
⑤が該当する脂質の質と量について
一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂取を
積極的に取り組んで欲しい旨も説明し実行を促すこととしています。
 
後はこれら脂質異常症だけではなく他にも注意すべきこととして、
高血圧、高血糖、肥満、喫煙等、
この多重のリスクファクターについても
患者の方々には食習慣を中心に
生活習慣の見直しについて理解していただくことも重要です。
 多重リスクが動脈硬化を増悪させ心筋梗塞や脳梗塞等が発症し
命の危険に関わる重篤な状態に陥ってしまいますので、
食事指導の時はこのリスクファクターについても着目し
予防に向けた食生活が取り組めるように促さなければなりません。
 食事における制限はいくつか追加され
多数の取り組みが生じてしまいそうですが
実際には共通した内容も多く、
出来ることから取り組んでもらえれば良いと考えます。

 

<一歩ずつ、そして長く>
少々漠然としたものではありますが、
コレステロールの摂取の在り方等、
動脈硬化の予防の為の食生活を送っていただきたいところではありますが、
実際患者さんの受け止め方は様々。 
 健康診断等で単に高コレステロールの異常値を指摘された余り
危機感が伴わないケース、
動脈硬化等が起因した心筋梗塞等で入院し辛い思いをされたケースでは
食事療法に対しての気構えは大きな差があるようです。
 こういった事以外にも患者さんの各々のキャラクターや
生活背景など食事療法に影響が考えられる要因も踏まえた上で
患者さん自身が問題点・改善点を模索し
「自分はこれが問題だったかな」
と自覚も備わりご納得した上で、食事の改善等にトライしてもらえるようになり、
それで効果が得られれば最高ですし次のステップへと展開し易くなります。
食事療法は「一歩ずつ、そして長く」です。

 

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氏名 管理栄養士 松岡 希予美
勤務先 飯塚病院
経歴 県立広島女子大 (現 県立広島大学) 卒業
生年月日 1985年9月4日
血液型 B型
趣味 旅行
好きな言葉 「やれば出来る」
モットー ポジティブシンキング