【沖縄県立北部病院 池宮城 のぞみ】

「生活によりそう栄養相談をめざして」


当院は沖縄県の北部、名護市の中心部に位置する地域の中核病院です。

 

栄養指導室は診療部門に属しており、
管理栄養士3名・栄養士1名の合計4名
で業務を行っております。


実際の患者さんへの栄養相談をご紹介します。

79歳男性、夫婦2人暮らし
<診断名>
 脂質異常症・耐糖能異常


<患者さんの主訴>
・体を動かす事が好きで、体力をつけようと思い肉を多く食べていた。
・肉は特に脂身の部分が好き。
 食事量はそれ程多くないが、肉を食べないと食事をした気にならない。
・酒やたばこは一切しない。
・間食も控えるようにしている。
・最近、黒糖をよく食べていたので検査値が上がったのかと思う。
・体重を落とした方がいいと言われて「飲む酢」を飲んで3Kg落とした。


<身体所見・検査値>
 身長:162cm 
 体重:67Kg 
 BMI:25 
 TG:369
 LDL:143
 HDL:43   
 OGTT:116(前)-224(60分)-135(120)


<栄養上の評価や問題点>
・暴飲暴食なく、きっちりとではないが、食生活への配慮がみられる。
・三枚肉(バラ肉)やピーナッツ等の多脂食品の利用多く、
 時期により自身の畑で栽培している果物を食べ過ぎる事もある。
・「体にいい」と言われる食材を過剰に摂る傾向がある。
・食後血糖が上昇傾向にあり、食べ方の工夫が必要。


<今後の計画>
・脂食品の摂取に対して→適正量を説明し、まずは週1回程度とするよう話し合う。
・無意識の糖質摂取(黒糖や飲む酢)に対して→砂糖の量で実際の糖質を提示。
・食べる量やタイミングについて相談し、次回外来まで一旦中止する事となった。

 


 患者さんの中には「きちんと食事に気をつけているのに・・・」という気持ちで
栄養相談を受ける方も多くいらっしゃいます。
これまでの食習慣や嗜好を否定的に話すのではなく、
正しい情報を提示し、相談を進めていく事で
自ら改善策をみつける事が出来ると思います。

沖縄の食生活は中国や戦後統治下時代のアメリカの影響による
独特の食文化が形成されており、
高齢者の方でも日常的に缶詰類やファーストフードの利用があり、
教科書通りに「食べない方がいい」という言葉だけでは
相談が成り立たない事もあります。

患者さんの多くは人生の大先輩です。

栄養相談の際には、患者さんの生活そのものを受け入れる姿勢でのぞみ、
少しずつ改善できるよう心がけています。

 

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氏名 管理栄養士 池宮城のぞみ
勤務先 沖縄県立北部病院
経歴 美作大学 卒業
生年月日 1985年2月23日
血液型 A型
趣味 ガーデニング
好きな言葉 微力だけど無力じゃない
モットー 楽しみながら一生懸命に