「もっとカスタマイズ!」
当院は脳神経外科を中心とした地域医療に密着した急性期病院です。
栄養相談にいらっしゃる患者様は、栄養相談に対して、
「食べちゃダメって言われる」というイメージが思いのほか強く、
説明方法に日々苦心しております。
私の栄養相談における方針としましては、
『個々の患者様の生活状況をよくお伺いして、
継続しやすい方法を一緒に導き出すこと』
を心がけています。
コレステロール値が高めの患者様には、
ご自身のどのような食習慣がコレステロール上昇につながっているのかを説明して、
食事療法の必要性を納得していただくよう心がけています。
そのため、集団指導ではなく、個人指導で実施しております。
コレステロール値が高い患者様とお話していると、
食物繊維(野菜類)をたくさん摂ると良いことはわかってはいますが、
コレステロール値を改善できるくらいの量を摂れている方は
まだまだそう多くないと実感しています。
特に当院のように、
脳梗塞、脳出血などで麻痺のある患者様は
野菜を切ることができない方が多いのです。
そんな方には、手軽に冷蔵庫にストックできる
めかぶ、もずく酢、などから
野菜、海藻類に慣れ親しんでいただくことから始めています。
きのこ類も包丁を使わずにレンジで調理したり、
味噌汁や麺類にそのまま入れることができ、
冷凍保存できますのでおすすめしています。
更年期以降の女性は女性ホルモンの関係で
めざましい数値の改善に至ることはなかなか難しいのですが、
「覚えやすかったし、続けていますよ」
とお声をかけて下さる方もいらっしゃいます。
ただ、資料や情報が多すぎると患者様は疲れてしまいますし、混乱されます。
また、模範献立をお渡しすると献立表通りに完璧にしてみたいと思う方もいれば、
プレッシャーを感じてしまわれる方もいらっしゃったりで
継続できなかったという失敗も経験しております。
また、栄養士も美味しい食事が大好きな者の一人です。
食事療法は絶対に完璧に続けなければならないということではなく、
基本的にはお食事を楽しんでいただきたい・・・!
という思いをお伝えすると少しずつですが、
お心を開いていただけて、継続に繋がっていると信じております。
ひとりひとりの患者様に合ったアドバイスができるよう、
コミュニケーション能力と、
かんたんで美味しく、体にも優しい料理の腕を磨かなければ・・・!
と反省と勉強の日々です!