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お健やかに新年をお迎えのことと存じます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。おせち赤.jpg

《正月料理の変化》

正月料理は新年を寿ぐ祝膳です。基本にあるのは"おせち料理"で、その意味や決まりごと(重箱に詰める=めでたさを重ねる等)を改めて考えてみるという食文化の視点も重要です。

食材は海の幸・山の幸を取り入れ(収穫物への感謝の気持ち)、それぞれに意味があります。数の子:子孫繁栄、黒豆:まめに(元気に)暮らす、蓮根:先の見通しがきく、ごぼう:根を深く張り代々続く、海老:ひげが長く腰が曲がっている=長寿、の色が美しい など。

近年は食生活の変化から、正月料理の食材や調理方法が多様化し、盛り付けは1人盛り(ワンプレート)も多く見られます。親しい人と楽しく会食することに重きを置き、好みの料理を揃えるようになってきました。これは、人をもてなす時の基本であり、自分らしい正月料理もてなし方が確立されてきたと考えるべきでしょう。

《わが家の正月料理》

先の写真は、わが家の正月料理から5種類をピックアップしたものです。それでは、料理を紹介をしましょう。

数の子数の子.jpg

味付け数の子をひと口大に切り、2切れほど盛り付け、細かつお節をトッピングします。

牛肉の八幡巻き牛肉の八幡巻き.jpg

ごぼうを鰻やドジョウなどで巻いた"八幡巻き(ヤワタマキ)"は、京都府八幡地方(八幡市、ごぼうの産地)の郷土料理で、魚を牛肉に替えてアレンジしてみました。

ゆでたごぼうを薄切り牛肉で巻き、フライパンにサラダ油をひいて周囲を焼いた後、水+めんつゆを加えて火を通します。めんつゆは塩味(しょうゆ)、甘味(砂糖、みりん)のバランスがいいので簡便な合わせ調味料として重宝します。

二色寿司

ある雑誌で紹介されていたモザイク寿司(4色=鮭&レモン、鯛&貝割れ菜、卵焼き&イクラ、絹さや&白ごま)を参考に、二色にアレンジしました。

四角い器にラップを敷いてすし飯を詰め、具をのせラップで包み、上から押さえながら形を整えます。ラップごと器から出し、一口サイズの四角にカットします。二色寿司.jpg

生鮭&青しそスプラウト、卵焼き&辛子明太子

煮物盛り合わせ煮物二種.jpg

海老のうま煮

海老の背ワタを除き、殻つきのまま丸め爪楊枝等で止めます。だし汁(または水)、酒、みりん、砂糖、薄口しょうゆを鍋に入れて煮立て、海老を入れて火が通るまで数分間煮ます。海老と煮汁を分け、海老は爪楊枝を除き、煮汁は粗熱をとります。

煮汁に殻つきのまま海老を浸しておき、盛付ける前に殻を除きます。ここでは、両端を切り揃えて盛り付けました。

頭が付いた海老を殻つきのまま盛り付けると存在感・高級感があります。この時には、鮮度の良い海老を用います。

蓮根の酢煮(酢ばす)

蓮根は適宜切り、水+酢で好みの食感(軟らかさ)になるまでゆでます。粗熱をとった蓮根を甘酢に漬け込みます。好みで、輪切り唐辛子を加えます(味にメリハリが生じる)。

青味(絹さや)

黒豆

黒豆は松葉に刺して2・3本を散らします。市販の黒豆煮豆を利用してもよく、自分で煮る場合は作りやすいレシピを探してみてください。私の作り方は次の通りです。

黒豆300gは洗って水気をきっておく。鍋に、水1,800~2,000ml(9~10カップ)、砂糖250g、しょうゆ50g、塩 少々を煮立て、黒豆を漬けて一晩おき、弱火で軟らかくなるまで数時間かけてじっくり煮ます。

わが家はIHコンロで火力・時間を設定し、放ったままの調理方法です。圧力鍋を用いると短時間で仕上げることができます。

《正月料理の盛り付け》

和食の盛り付けは季節感を重視することから、自然界にある草木の葉や芽、実や花(カイシキと言う)を料理に添えます。正月は縁起(不老長寿)、南天(難を転じる)、千両・万両(富の象徴)等を用います。これらは、余白をいかし、を添えることで料理を引き立たせる効果もあります。

ワンプレートに盛る場合は白や黒などの無地のお皿が適切(料理の色が映える)で、小皿やグラスをプラスすると立体感や特別感が得られます。

ここで用いた白地青色模様洋皿(ロイヤル コペンハーゲン)で、日本の染付(ソメツケ)に似た感覚で取り入れてみました。日本の染付は中国の青花(セイカ)の影響を受けたもので、伊万里港からヨーロッパへ輸出され・・・と、陶磁器(焼き物)の歴史に思いを馳せながら器選びと盛り付けをしました。

  
  
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