前回は、糖尿病とアルコールについて、

その1 アルコールはエネルギーはあるけど栄養素はない?!(=食品交換ができない)

その2 アルコールを飲むと食べ過ぎる?!

その3 意外に多く含まれる炭水化物量!!

の内容でお話しました。今回は、糖尿病とアルコールについての続きです。

その4 アルコールと低血糖!!

糖尿病患者様にとって高血糖はもちろん、それ以上に注意しなくてはならないのが「低血糖」です。低血糖の症状は一般的に、震え、冷や汗、動機、眩暈の他、重症な場合は意識消失、痙攣、昏睡など様々です。それでは、アルコールに関わる低血糖についてお話します。

① アルコール性低血糖

飲酒後、「アルコール性低血糖」と言って深夜など思わぬ時間に低血糖が起こる方がいらっしゃいます。酩酊と症状が似ていることから、見過ごされてしまうこともあります。また無自覚低血糖と言って、本人が気付かないうちに低血糖が起こっている場合もあります。実際、24時間日内持続血糖測定をするとアルコールをたくさん飲んだ何時間後かに、無自覚低血糖が起こっている方が多くいらっしゃいます。

② 晩酌の時、ご飯を食べない方

糖尿病の一部の飲み薬の他「食事の直ぐ前に打つインスリン(超速攻インスリン)」を使用している方は注意が必要です。晩酌の際、ご飯やパン、麺類などの炭水化物は食べない、といった方が時々いらっしゃいます。中には「酒がまずくなる!!」といって、わざと炭水化物を食べない方もいらっしゃいます。超速攻インスリンは、主に炭水化物を食べることによって上がる血糖を速やかに安定(下げる)働きがあります。では、食事の中に血糖が上がる炭水化物が無いのにも関わらず、血糖を下げるインスリンを打ったらどうなるでしょう? ・・・わざと自分で低血糖を起こさせてしまうことになりますね。インスリンは、これから食べる食事内容や食前血糖に合わせて打つことをお勧めします。具体的なインスリンの単位調整については、必ず主治医に相談して下さい。

低血糖が頻繁に起こる場合、日々の血糖管理を乱してしまう傾向があります。また低血糖は不快な症状の他、近年では認知症の発症リスクが高まるといった報告もあります。

アルコールと上手にお付き合いして、楽しい春を迎えましょう。20110411_034303000pink_iOS.jpg

しろくま

  さん

炭水化物とインスリンのタイミングが重要であることがわかりました。
しっかりとした主治医の方との連携が重要だということですね。

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