炭水化物に関するダイエット方法の1つに"低GIダイエット・低インシュリンダイエット"という方法がありますが、ご存知ですか?
GI値に関する情報によっては、ちょっと違うのではないか?と感じる事もあるため、今回はGI値についてお話しして参ります。
GI値が低い=腹持ちが良い⇒ダイエット向きである。
炭水化物は体内でぶどう糖に分解され、エネルギー源として使われます。
そして、すぐに使われない分はインスリンによって肝臓や筋肉内でグリコーゲンに変換され貯蔵されます。(インスリンが分泌される事によって、食後に上がった血糖値がしばらくすると下がる。)そして、エネルギー源として使われる際には、再びぶどう糖に分解され血液中に送られます。
GI値とは、血糖値の上がり下がりを数値化したもので、ぶどう糖を食べた後の血糖上昇度を100としています。
GI値が高い食品:腹持ちが悪い食品⇒血糖値が上がりやすい食品
腹持ちが悪いため、ダイエット時は不向きと言える。
マラソン時や試合前の素早いエネルギー補給をしたい時、適していると言える。
GI値が低い食品:腹持ちが良い食品⇒血糖値の上がり方が緩やかな食品
腹持ちが良いため、ダイエット時に向いている。
GI値が低くなる要素
GI値が低くなる要素には、食物繊維・油(脂)・酸(酢・レモン・酸味のある果物)等があります。
一方、GI値が高くなる要素には砂糖があります。(さらに、咀嚼回数が多くなってもGI値が高くなります。)
つまり調理・加工方法・食べ合わせ等によってGI値が変わるという事です。
米製品では"餅・精白米のご飯・玄米ご飯"ではGI値が異なります。
玄米はヌカ層が残っている(食物繊維が多い)ため、ご飯よりもGI値が低くなりダイエット向きと言えます。
海苔巻きご飯は海苔効果で、GI値が下がります。
油不使用のフランスパンやベーグルは高GI食品です。
一方でバターをたくさん使用するクロワッサンはフランスパンよりGI値が低くなります。
バターライスも同様です。
油(脂)が加わってGI値が低くなるというのはダイエット向きとは言えません。
何故なら、食べた分は、GI値に関わらずエネルギー量に違いは無いためです。(油のエネルギ ー量に関しては、エネルギーコントロール 1.油についてをご覧下さい。)
さらに色々な料理を組み合わせる事で、GI値は変化し、食べる順番によってもGI値は変化してきます。
ここまで来ると、もう頭が混乱してしまいますね。
フルーツのGI値が低いが...
フルーツの甘味は果糖とぶどう糖によるものです。
ぶどう糖は上記のように血糖値を上げますが、果糖は血糖値を上げません。そのため、甘さを感じる割にGI値は低いですが、果糖は血糖値を上げずに小腸で吸収された後、門脈を通じて肝臓に送られぶどう糖に転換されます。その結果、果物の食べすぎ(果糖のとり過ぎ)は中性脂肪やコレステロールの値を高くしたり、脂肪肝の原因になり兼ねません。
そのため、GI値が低いからと言ってダイエット向きとは言えません。
では、どうすれば良いのか?
腹持ちを良くして食事量を抑えるために大切なのは食物繊維です。
野菜から食べるというダイエット方法がありますが、食事のGI値を下げるという点で理にかなっていると言えます。(サラダにはノンオイルドレッシングで。)
低GIダイエットを実施されている方の中には、人参はGI値80と高い食品だから食べない方が良いと話している方がいらっしゃいます。
しかし、人参を米のような量を食べるという状況はあまり考えられないため、気にせず食べて良いのではないかと私は感じています。
(また、ある調査報告では人参のGIは40位と低いのではないかと指摘している物もあります。)
体脂肪を上げたくない・下げたいという時には、主食には玄米入りご飯にすれば良いという事ですし、最近注目されている大麦(押麦)も精白米に比べるとGI値が低いので、良いと言えそうです。
"炭水化物抜きダイエットは男性向きだが..."でもお伝えしていますが、ご飯に玄米・ビタヴァーレーを混ぜて炊くのがお勧めというのは、GI値の観点で言えそうですね。
乳製品(牛乳・ヨーグルト)については、1日1杯(200cc)を目安に朝食の一部に食べれば、食事のGI値が下がり午前中の腹持ちに違いが出てくるのではないでしょうか。(コレステロールが気になる方は、低脂肪や無脂肪を選ぶと良いですね。)
そして、果物は、無くても問題なく、デザートの位置づけで!でしたよね。
"尿酸値を下げる食事の前に...バランスの良い食事とは"も参考にしていただければと思います。
いかがですか?これなら続けられそうな低GIダイエット方法ではないですか?
(参考資料:杉山みち子他:Health Sciences 16(2), 175-186, 2000. Health Sciences, 17(3), 133-142, 2001,
杉山みち子他:平成12年度牛乳学術研究会委託研究報告書, 2000より)
太鼓
さん咀嚼回数が増えるとインスリンの初期分泌が速やかになり、GI値は下がるのではないでしょうか。
saki
さんわかりやすいGI値表ありがとうございます!
こちらのGI値表の出典を教えていただけますと幸いです。
足痛い
さん炭水化物抜きダイエットの中、キーウイをよく食べました。効果抜群でした。
キウイ
さんGI値を見るだけでなく
食べ方の工夫も大切と
感じました
きりん
さん食欲の秋でついつい食べ過ぎてしまい体重が増えつつあります。
ブログを参考にさせて頂き、食べ方の順番や、食べる内容を工夫してみようと思います。
つかさ
さん栄養士ですが、なしやミカンが低giであることに
驚きました。ありがとうございます。
今後も勉強していきます
梅
さんGI値=ダイエットに効果的か否かの指標ということではないのですね。
さらに、調理法、食べ合わせまで考えることになるときりがないように感じます。
ただ、食物繊維をとるように気をつけるという事なら、私でもできそうですし、
わかりやすいですね。
ぴーなつ
さん油や酢などもGI値を下げる要因になっていたんですね。
はじめて知りました!
油の量には注意をしながら、
食べ方や順番を意識して、秋冬を乗り越えようと思います。
しろくま
さん腹持ちの良さは、料理の組み合わせ・食べる順番によっても変わることを初めて知りました。
GI値が食材によって個々に決まっていて、変えることができないのではなく、
やり方次第では調整可能な値であることを再認識したいと思います。