企業から本学に来られた山根教授は、我々にセルロース粒を紹介してくれました。セルロースはβー1、4結合のグルコースポリマーで、人の体では消化できない食物繊維です。
この難消化性のセルロース(紙)をパンの中にブレンドして、低カロリーパンとすることは昔から多くの人が考えてきたものです。しかしパンにセルロースをブレンドすると、どうしてもその膨らみが落ちてしまうところが困った点でした。
そんな中、小生のところの大学院生の田原さんがこの問題解決に興味を持ちました。山根教授が紹介したセルロース粒とは、強アルカリ溶液中でセルロースに物理的な力を加えて強引に可溶化し、そのままノズルから強酸溶液中に吹き出し、中和して不溶化したものでした。そのノズルのサイズをいろいろと変更すれば、サイズの異なったセルロース粒の造粒が可能です。
これまでのセルロースパンの研究では、なるべくセルロース(紙)を微細にくだき、小麦粉と見分けのつかないくらいにして製パンする方向でしたが、田原さんの研究は逆でした。セルロース粒サイズを6μmから最大650μmにまで大きくしてテストしようというものです。小麦粉にこれを10?20%までブレンドして製パンしました。
その結果、セルロース粒6μmでは膨化の悪かったパンは、セルロース粒のサイズが大きくなるほど、正確に云うと154μmまでにその膨化はコントロールパン並と変わらなくなり、それ以上のサイズではそのままの膨化を保つことが判明しました。セルロースブレンドによる膨らみへの悪影響が消えるということです。
パンドウ中のグルテン膜を染料で染めて顕微鏡でみると、セルロース粒が小さい場合(6μm)にはグルテン膜に裂け目があってガスが抜けてしまうようでしたが、大きな粒子になるとグルテン膜中のセルロース粒は、海中に浮かぶ島のようにも見られ、グルテン膜の破壊には至ってないのです。それがよいのでした。
彼女はいま、このセルロース粒に何らかの機能を与えて製パンしようとしています。そうすれば、低カロリーと同時に機能のあるパンの調製が可能になります。
この機能性セルロースを用いれば、体の中のお掃除も可能となろうと云うものである。
次にこの話をいたしましょう。
めぐみこ
さん食べてかつ、身体の中の掃除もできる!!
これは・・かなり、かなり需要があると思います。
ほしいです!!
コンビニなどでも気軽に購入できるようになると嬉しいです!
ジョー
さん糖尿病の方でも安心して食べることのできるパンがあれば
患者の方はきっと嬉しいでしょうね。
RYU
さん専門的なことはわからないですが、
研究によって、、病気を持っている方が
安心して食べれるものが増えるといいですね!
ドロップ
さん何かを作り出すって大変なんですね。
ふっくらおいしい糖尿病の患者さん用のパンはかなり需要があると思います!
Pig。
さん糖尿病用のパンがあることは知っていましたが、深いですね。
セルロースをたくさん摂れる生活をしたいです。
mottei
さんパンは、いろいろな種類が作れるので
お食事の食パン・ロールパンだけでなく
糖尿病の方向けであんぱんやクリームパンが作れたら
かなり人気が出るのではなかと思いました
オサム
さんセルロース粒が大きくなった場合の
食感はいかがでしょうか?
ボリュームがあるのに
カロリーが低いのは
糖尿病患者さんだけでなくとも
大いに魅力的だと思います。
K
さんセルローズパンの研究難しくよく分かりませんが、美味しい低カロリーパンの誕生は糖尿病に苦しむ患者さんには吉報だと思います。
らぁる
さんいろんな患者向けのパンが今はあるんですね!!
ぽん
さん難しくて、詳しいことまではわかりませんが、
糖尿病患者さん向けのパンは、出来上がればかなりのニーズがあると思います。
美味しく、体に良い、全ての方の願いだと思います。
ちろ
さん私は、山根先生のゼミに所属していました。
卒業研究では、セルロース入りのうどんを作りました。
パンを食べたい患者様も多いと思うので、機能性もあり低カロリーのセルロースパン、これからの研究でより良いものが販売されるようになってほしいと思います。
Shozzy
さん逆のことをやったらうまくいった・・・何事も発想の転換は大事ですね。これからも素晴らしい研究を続けていただきたいです。
shat
さん糖尿病患者さん用パンはじめて知りました。パン好きの患者さんには良報、これからも研究のお話楽しみです。