岩手県の農家で巨大なパプリカができたと、どなたかのオフィシアルブログの中でも御紹介がありましたね。小生もカラー野菜の件で思いつく事あり、ここに書きます。

大きな赤い、黄色い、オレンジ、さらに黒色等のパプリカは、アメリカやヨーロッパの食品売り場のコーナーに所狭しと並んでいるのは壮観です。欧米の豊かさを感じさせます。この景観が日本のスーパーでも最近見かけられる様になりました。

しかし日本では、カラー野菜も含めて野菜、果実類は高価ですね。一つひとつは和菓子でも購入するような高級感ですね。しかも栽培者の名前入りの野菜果物となると、職人芸で作る和菓子と同じ扱いとなりますね。野菜、果物類は、我々の毎日のからだが要求する栄養素供給源として、ままならぬものとなりつつあるような感じすらいたしますね。

安価な野菜、果物などどんどん中国などから入れないと、日本人の体は栄養失調となり、生活習慣病にまで到る大問題となりますね。


パプリカは、カプシカム属野菜です。この野菜グループには一般にはカプサイシンが含まれるのでしょう。この中にはピーマン、唐辛子等も含まれます。最近では日本で生まれたトマピーなどもありますね。

我々はこれらから種子を抜き、よく洗浄して、粉砕、凍結乾燥後にパウダー化し、これを小麦粉に8%ほどブレンドして製パン適性を調べました。パンは大変によく膨張し、色もグリーン、赤色、黄色等何れもきれいにパンに着色し、食パンなどは食欲をそそぐものです。

このように、カプシカム属野菜は何れもこれを添加するとパンが膨張するので興味がありました。何故このカプシカム属野菜はパンを良く膨化するのか、そのメカニズムを調べる段階に至りました。この野菜は未熟なものは何れもグリーンで、成熟に伴って着色してくるのです。従ってピーマンなど、我々が普段食べている物(グリーン)は、未熟なものなのです。ピーマンもそのうちに赤くなり成熟します。

パプリカなども未熟な物はグリーンです。このグリーンの物はパンの膨化を劣化しましたが、煮沸するときちんと膨化しました。成熟期に働く数々の分解酵素のせいと思われました。

完熟したカプシカム属は全てパンを膨化しましたが、このパウダー懸濁液を水に透析して透析内、外というように、分子量を大、小に分け、それぞれを凍結乾燥し、添加ベーキングすると、透析外液の方にパンを膨化する力は移りました。つまり製パン性改良したのは、分子量小の方です。

さらにクロマトを駆使して、糖区分、ペプチド区分に分け、それぞれを添加してベーキングを行うと、糖区分の方に何かパンを膨らませるものがある事が分かりました。まだその先を調べてます。

目下赤唐辛子なども使って同様の研究を進めています。

野菜類でこのようにパンを膨化する物は他になかなかないのです。カプシカム属野菜は少々変っているのでしょうね。

トーテム

  さん

カラーパンもおいしそうですね。
野菜を練りこんだパンなども好きなのでもっといろいろな種類が増えてほしいです。

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オサム

  さん

面白いですね。
粉末化しないとだめなのでしょうか?
カプシカム属野菜を細かくしてねり込んだ程度では
あまり変わらないのでしょうかね。

家でカラーの食パンを焼いてみるのも面白いかもしれません。

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