学会報告
学会報告
5月8日から11日まで、オランダ アムステルダム市で "Colloids and Materials 2011"
という学会が開催されました。今年の始めにこの会の紹介があり、面白そうなので、会への登録やらオーラル、ポスター発表の申し込みを行い、結局ポスター発表と言うことにきまりました。
発表タイトルは
"Oil Binding Ability of Wheat Starch Granules in Aged or Dry-heated Wheat Flour and The Role of This Hydrophobicity in Cake Baking with The Flour "
といたしました。
発表者は、
(1) M. Seguchi, (2) M. Ozawa, and C. Nakamura
(1) Kobe Women's University and (2) Kobe Women's Junior College
の3名で行いました。
Introduction:
It is interesting to know whether hydrophobic wheat prime starch granules (PS) (around 20μm of diameter) is occurred or not in aged or dry-heated wheat flour, and improvements of cake baking with these wheat flours are obtain or not.
Methods:
Aging or dry-heating of wheat flour were performed on iron plate at room temperature or 60-120℃ for various hrs. Pancake and kasutera cake (Japanese cake) were baked according to Ozawa (1) and Nakamura (2). Wheat flour was fractionated to water solubles, gluten, prime starch and tailings fractions by an acetic acid (pH 3.5) fractionation technique (1). Oil binding ability of PS was observed in oil / water (1).
Results and Discussion:
We obtained hydrophobic PS in aged or dry-heated wheat flour. The PS showed a remarkable oil binding ability owing to hydrophobicity of starch granule surface proteins by exposure of buried hydrophobic site in the proteins. Improvements of pan cake springiness and increase of kasutera cake volume were also observed by these wheat flours. These improvements of cakes may be due to hydrophobicity of prime starch granule surface protein by aging or dry-heating of wheat flour.
(1) M. Ozawa, M. Seguchi. Cereal Chem. 85, 626-628, 2008.
(2) C. Nakamura, Y. Koshikawa, M. Seguchi. Food Science and Technology Research, 14, 431-436, 2008.
上述がその申請文でした。
小麦粉の室温でのエージング(枯らし、ねかし)処理と、120℃から室温までの各温度下での処理後、その小麦粉を使って行ったパンケーキ、カステラベーキング結果と、小麦粉の物性の変化、小麦粉中で生じる相互作用結果、及び小麦粉プライムスターチ(PS)区分の親油性(疎水性)増加等の実験結果との関係について、多くの細かなデーターを元にして発表しました。
最終的には、小麦デンプン粒という20μほどの粒子が室温放置や、乾熱処理でその粒表面の性質が親水性から疎水性に変るということがその中心原因ではないか、というものでした。それがこれらの起泡性食品の膨化、組織弾力性に関与してくるのであると結論しました。デンプン粒の、まさしくコロイド科学であり、会では多くの関心を集めました。
この分野の研究者は、先端無機化学分野の人が多く、当方のような有機的な、しかも食品関連とは少々場違いといったようにも感じられました。しかし食品は正にコロイドであり、今回の学会に参加して、無機化学のコロイド化学と食品のコロイド化学の接点があるように強く感じられ、興味深かったのです。
無機化学のコロイド化学分野は大きく進歩していると思われ.これを食品のコロイド化学分野が大いに利用しないといけないと思われました。何も壁はありません。
ダンボ
さんオランダでのポスター発表お疲れ様でした。私には内容が難しく、日本語でも理解度30%ぐらいですので、英語では理解度10%と言ったところです。
話は変わりますが、花の都オランダ! 中でも一番いい時期の訪問とあって、さぞ華やかだったと思います。
まっきー
さん食品を科学的に見るのはとても
興味深いです。
英語を勉強しなければと感じました…
いもこ
さん小麦粉について、
追及していくと
すごく奥が深いのですね。
久しぶりに英文をみて、
すぐ理解できたらいいのになー。
と思ってしまいました。
ゆん
さん「乾熱処理でその粒表面の性質が親水性から疎水性に変る」を見て、原理がいろいろわかるととても面白そうだと思いました!
偽PT
さん英語が全くできないので残念です。小麦粉も奥が深く専門的で難しいですね。
ちろ
さん大学の時の先生の授業を思い出しました!
奥が深く、難しいです・・・。
パンを作る授業大好きでした!
パンを作る内容のブログも書いてほしいです★
mottei
さんんん・・なにぶん英語が苦手なので難しかったです。
いつも大変興味深い内容で、楽しみにしておりますので
専門的な文章に加えて、少しでも一般的の方が分かるような文章が入るとより楽しめると思います。
ジョー
さんん~、やっぱりよく分かりません。
「The 専門的」ですね。
ノンノ
さん世界が注目する
小麦粉の科学。
目の前のことを考えるのも大切であるが、
世界に目を向けて沢山の意見を聞くことがたいせつなんですね。
トーテム
さん英語が全然読めない自分がにくいです。
読めるようになればもっと世界が広がるんでしょうね。
zoyu
さん学会発表おめでとうございます!
小麦粉の科学…奥深いです。
shin
さん多くの方々の関心を集めた発表となったとのこと、先生方の素晴らしい努力の賜物だと存じます。無機化学のコロイド化学分野を食品に活用し、さらなる食分野の発展につながればと思います。
りんご
さん英語で全く読めなかったのであせりましたが、
下に解説を書き加えてもらってたんですね!
なんだか更に解説が必要なくらい
難しいですね!
らぁる
さん無機化学のコロイド化学分野は大きく進歩が、これからの食品の進歩につながっていくんですね。
Pig。
さん先生が発表された内容は英語なので全く読めません。
もっと真面目に英語を勉強していればと、つくづく思います。
栄養学の大学を卒業していますが、まだまだ知らない事がたくさんあると感じました。
もっと勉強したいと思います。
ミカン
さん学会で発表されているような専門的な内容を
ブログを通して見ることができるってすごいことですね。
ふたちゃん
さん奥が深いですね!
化学のフィールドが違っても、共通点はたくさんあるんですね!
オサム
さん物質の特性を調べる段階で
ある程度まで細分化していくと
やがてコロイド化学の領域で
物性を調べる事が必要になるようですね。
高分子レベル、原子レベルと
やがては物理の世界になって行くのでしょうか。