カルカデについては前回のような事でした。いよいよそのカルカデをパンドウに混ぜて、製パン性(パン高、比容積)を確かめようと言うことです。

深紅のカルカデのパウダーは八尋産業からいただいたものを使用しました。

小麦粉に対し5%ほど添加し、製パンを行なうと、パン高、比容積は異常なほどの低下でした。

パン組織はつまり、レンガ状のものになってしまいました。

カルカデは日本とは違ってもっと熱帯地帯に育つ植物だから、多分プロテアーゼ等の酵素類が多いのではないだろうか(例えばパイナップルのプロテアーゼは熱帯性の植物によくみられる現象)。このように考えると、パンが駄目になったのは、まず酵素の原因が考えられました。プロテアーゼで多分グルテンたんぱく質が破壊されたのであろうと。


更に当時そのごろ、小生の研究室では酢酸ガス処理小麦粉によるパンの研究を進めており、ドウのpHが低下すると製パン性は極めて低下する事も知っていたので、それも原因かとも思われました。


カルカデのつぼみは前述のように食べるとカレーライスを食べる時の酢漬けのらっきょうのように酸っぱいのです。

この酸っぱいことが製パン性劣化の原因だとすると、酸による製パン性の低下という事になり、これもリーゾナブルです。



したがってpHが関与している可能性がありました。早速パンドウをpHメーターで測定してpHの低い事を確認しました。アルカリ溶液を用いてドウのpHをコントロールして中性にもってゆき、製パン試験を行なったら、予想通り製パン性は回復しました。

カルカデの酸が原因で製パン性が低下したのでした。

パンの色はやはりアントシアン系の色素のためかpHの変化で大きく変わり中性に持ってゆくと赤色は黒色的赤色に変ってゆきました。


カルカデ中には鉄分の多い事は前述した通りですが、カルカデを5%ほども入れてパンを焼き、食パンにして2切れで食べると12mgの摂取は出来る事が分かりました。ほぼこれは女性1日の鉄、必要量です。

ダンボ

  さん

pHが低下すると製パン性は極めて低下するのは、
人間における反応と同じですね。

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オサム

  さん

見るからに鉄分が多いという色になるのですね。
PH調整した場合酸味も消えてしまうのでしょうか?

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はづき

  さん

鉄欠乏性貧血の方はとても多いです。
主食で補給できると便利ですね!
黒色的赤色…、気になります。

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まき

  さん

鉄分をそんなに摂取できるなんてすごいです!
私もやはり味と色合いが気になります

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トーテム

  さん

レバーと同じぐらいの鉄分なのですね。

貧血の人にとっては良いパンなのかもしれませんね。
味はどのような味になるのでしょうか?

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ミー

  さん

酸性を中性に…ということは
完成品は、とくに酸味はないのでしょうか?
前回も思いましたが、鉄分12mg摂れるって
すごいですね!

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