カプシカム属野菜の中に、岐阜県中津川市の特産のあじめ唐辛子という野菜がありますが、御存知でしょうか。八尋産業の大矢社長からサンプルが送付されてきて、製パン性への影響を確かめて欲しいとご要望がありました。
細長いアジメドジョウに似た真っ赤な唐辛子です。これをよく洗浄後、種子をぬいたあとミキサーで粉砕化し、フリーズドライしました。
早速製パン試験を行ないました。やはり小麦粉に対し8%の添加量で進めました。これまでのパプリカのように、コントロール(未添加)に比べよく膨化しました。
食べると大変にホットで、これを薄く切って、トースターで焼いてこりこりにして少し食べるとビールのつまみほどの味でしょうか。
やはりこの製パン性の改良効果のメカニズムもパプリカ同様に知りたいわけで、これまで述べたようなやりかたで学生に進めてもらいました。
あじめ唐辛子の粉体を水に懸濁後、オートクレーブにかけ、オートクレーブによる製パン性(パン高、比容積)に変化の無い事を確認して、多量の水(10L)に対し一晩透析を行ない、この透析外液と透析膜内の内液に分画するわけです。
透析内液は凍結乾燥し、透析外液(10L)は60℃以下でロータリーエバポレーターでシロップ状まで濃縮するのです。
その後、何れの乾燥物をも小麦粉にブレンドして製パン試験を行なうと、製パン性を増加させた区分はパプリカ同様に透析外液でした。透析内液には製パン性を増加させる力は無く、それを示す区分はパプリカ同様に透析外液でした。
やはり糖やアミノ酸等の低分子量区分が製パン性増加に効果のあることが判明したのです。
次にこの低分子量物質,主に糖とアミノ酸、ペプチド類からなるもののうち、何れの物質が製パン性増加効果の原因なのかを調べました。
利用したのはペーパークロマトグラフィー(PPC)のテクニックです。厚手濾紙を用いたPPCで多量のシロップを糖質区分、アミノ酸,ペプチド区分に分画し、夫々を濾紙より水で抽出して、濃縮後に製パン試験を行いました。
その結果、前述のパプリカで認められたように糖質区分の方にその製パン性増加(パンが良く膨らむようになる)の効果のあることがわかりました。
数々の糖質の内、何と言う物質(糖質)が効果的なキー物質なのかは不明です。果たして解明できるかどうか、目下検討中です。
次に。
トーテム
さん結局どの物質がキーになっているのか…
気になるところですね。
ひぽぽ
さんあじめ唐辛子は、私も初めて聞きました。
糖の中でもキーとなるものが見つかれば、
誰でも失敗しにくいおいしいパンができるように
なりますでしょうか?
次回が気になります!
偽PT
さんあじめ唐辛子は初めて聞きました。ビール好きの私にとっては1回ぜひ試してみたいつまみですね。
ダンボ
さん科学音痴の勘ぐりで、もしホットな唐辛子が、イースト菌の活動に影響する,としたならば、ホット好きな若い人たちと似てますね。
イースト菌の食欲増進・活性化に効果がある気がします。
オサム
さんカプシカム野菜と糖質が結びついているところが面白いですね。
tomato
さんトウガラシ入りのパン!!衝撃です。
想像しただけで、ホットですね。
ちゃんと製パン性を示すという事も、理由がきちんとあっての事ですね。何が作用しているのか、気になります!
ちろ
さんトースターでカリカリに焼く・・・
おいしそうですね!!
パンも赤くなるのでしょうか・・
写真などがあれば見せて頂きたいです。
匿名
さんあじめ唐辛子気になります!
糖質が製パン性の増加に効果的なんですね
ぜひビールのお供に食べてみたいです。
mottei
さんあじめ唐辛子初めて聞きました。
今日の朝食で、トマトが練り込まれたパンを食べて
とても美味しかったので
唐辛子のぴりっとした風味と共に、製パンが向上して
ふわっとしたパンができたら嬉しいですね
ふたちゃん
さんあじめ唐辛子、初めて聞きました!やはり、ハバネロや青唐辛子に比べると辛さは劣るのでしょうか?
辛いもの好きなので興味深いです。
ガーリックトーストにすると美味しそうですね。
ゆう
さんあじめ唐辛子、私も初めて聞きます。
種を抜いて作るから、できたパンに辛味はないのでしょうか。
ちび太
さん唐辛子が大好きですが、あじめ唐辛子は初めて聞きました。
まだまだ勉強不足のようです。
どのような糖が製パン性に関与しているのか大変興味があります。
K
さん「あじめ唐辛子」初めて聞く名前です。ビールのおともになるとのお話、食べてみたいと思います。
ミー
さん辛いものが好きなので、食べてみたいですね。
もし、おつまみにするなら、
ガーリックバター、チーズ、バジルを
合わせて…な~んて想像してしまいました。