小麦粉をあるレベルで酢酸ガス処理(1.5-2.0mL/kg flour)すると、製パン性(パン高, mm、比容積, cm3/g)の改良効果が認められた事をお話をいたしました。
その酢酸ガスによる改良効果は、品種の異なるいろいろの小麦粉でも同様の効果のある事がわかりました。製パン用小麦粉(強力粉)といってもいろいろな種類があり、何れの小麦粉でも同一の効果の生じる事が大切なのです。
各小麦粉では、夫々その酢酸ガス処理レベルの違うところでマキシマムの製パン性を与えることがわかりました。その理由についてはいろいろ検討いたしました。小麦粉の種類はこれまでに数十種類について調べました。
その結果、小麦粉の粗タンパク質含量の違いと、その最大の製パン性の生じる酢酸ガス処理レベル(酢酸mL/kg)との間に相関性が見られました。
縦軸に粗タンパク質含量(%)、横軸に最大製パン性を与える酢酸ガス処理量(酢酸mL/kg小麦粉) を並べてプロットみると、小麦粉の粗タンパク質含量の違いと最大の製パン性の得られる酢酸ガス処理レベルの間には正の相関関係のある事がわかりました。
低タンパク質含量の小麦粉では、低酢酸ガス処理レベルで製パン性改良の生じる事が示されました。酢酸ガス処理レベルは高くなるほどパンの酢酸臭が増えて食味は落ちるので余り多くの量を使いたくありません。
一般に上等の小麦粉は、粗タンパク質含量が高く、製パン性がいいので、酢酸ガス処理などは必要ありません。製パン性のよくない低タンパク質小麦粉でこの酢酸ガス処理の効果が有効なのです。低タンパク質含量小麦粉の場合、低酢酸ガス処理レベルでマキシマム の製パン性を与える事が出来る事もわかりました。
これは酢酸ガス処理が、品質の悪い製パン用小麦粉の改良効果に都合のよいということです。
これは後述しますが、内麦や中国産小麦粉への酢酸ガス処理が、製パン性の悪いこれらの小麦粉への改良効果の可能性をサジェストしているのです。
つづき
ふたちゃん
さん製パン性の悪い小麦粉など違いがあるのですね。
話が深まってきましたね!
今後の酢酸ガス処理小麦粉によるパンの話に大変期待です。
りんご
さん酢酸の臭いは
焼きあがりに臭いがでるのですか?
配分って難しいですね。
ちびすけ
さん品質の悪い製パン性の小麦粉には処理が有効とのことでしたが、
味はどうなのでしょう、、?
元々の品質が良くない小麦粉なので、味が気になります。
nao
さん今、世の中に出回っている低たんぱくパンは、酢酸ガスを対応して作られているのでしょうか。
パンはとっても奥が深いですね。
u
さんいつも面白いパンの話ありがとうございます!
次回も楽しみにしています。
ひぽぽ
さん低たんぱくの小麦とは、
明らかにたんぱく質が
ほとんど取り除かれた状態のものでも
同じように酢酸ガスを使ってできるのでしょうか?
たんぱく制限の方に嬉しい
結果ですね。
まき
さん酢酸を多く加えればいいというわけではなく、低酢酸ガス処理レベルがいいのですね。
やはり味が気になるところです…!
偽PT
さん酢酸ガスで低たんぱくのパンが作れるならば、タンパク質を制限されている方にとって非常に良いことだと思います。
れもん
さん強力粉にも色々種類があるのですね。
トーテム
さん今までパンが作れなかったような素材でも、パンが作れる可能性があるということでしょうか。
可能性が広がりますね。
ぽん
さんせっかく低たんぱくに抑えても、
味が悪くては食事療法は続かないですもんね。
安価で、味も良く、たんぱく質を抑えたパンが出来たら素敵ですね。
オサム
さん酢酸ガスで低たんぱくの小麦粉パンが出来るのであれば、
たんぱく制限のある方でもおいしいパンが
食べられるようになるのでしょうか?
色々と効果はありそうですね。
shin
さん安い小麦粉の存在が研究の可能性を広げているとは面白いですね。
ダンボ
さん安い小麦粉で、美味しいパンが出来るようになれば、
ありがたいですね。
aZuuu
さん先日パンを作ってみよう!と思い立ち、作ってみたのですが、小麦粉の具合はやはり重要なんだなと感じました。温度も関係あるのですね。
まみ
さん酢酸ガスのおかげで、
低たんぱくのおいしいパンが
できるなんてすごいですね。
はづき
さん病気でたんぱく質制限をされている方が
いらっしゃいます。酢酸ガスを使えば
美味しい低たんぱく質パンができそう!