内麦でもこの酢酸ガス処理による製パン性の改良効果のある事がわかり、これは興味深い事でした。
この改良方法は、中国の小麦粉ではどうだろうかと考えました。中国は世界有数の小麦生産国で、あの広い国土でたくさんの小麦が生産されています。
しかし、もっぱら中国ではスチームブレッド(蒸しパン)用あるいはヌードル用に用いられる小麦粉であって、日本同様にパン用の小麦粉としてはもう一つの小麦粉で、グルテンの機能が弱いと言われています。
日本同様、中国の食生活も食の洋風化という事で肉、卵、畜肉製品、乳製品、卵等を多くたべるようになるとやはリ、スチームブレッドではなくて、パンが欲しいのです。
アメリカ、カナダ、オーストラリアから日本同様にたくさんの小麦粉が輸入されているという矛盾です。
そこで、この酢酸ガス処理を中国小麦粉に応用できないだろうかということです。試験するのに、果たして中国の小麦粉を日本で簡単に入手できるだろうかという事です。
中国系のある企業の方から、中国の小麦粉を何種類か少々入手する事が出来ました。
この小麦粉を酢酸ガス処理し、製パン試験を行なった。やはりこれまで通り、外麦、内麦同様、ある酢酸ガス処理レベルで製パン性の改良効果(パン高、比容積)は認められたのです。
将来中国小麦粉なども酢酸ガス処理が有効となるものと思われました。
我々がおこなう小麦粉の酢酸ガス処理は、プラスチックの円筒に小麦粉を1kgを入れ、それを酢酸ガスで処理するという小さなスケールのものであり、これを工業的に数トン単位という多量の小麦粉にこの方法を応用は出来ません。
何とか良い方法はないだろうか。連続的に(数トン)で処理できる装置が必要です。
名古屋のあるメーカーに粉体に振動を与え、その粉体を流動化する(液状化する)装置があるという様です。液状化現象を利用して、振動を与えて人為的に小麦粉の液体を作りそれを処理するのです。酢酸ガスをそこに流すというものです。架空の話で現体制ではこれは実現できません。
つづき
ひぽぽ
さん良質の小麦を作るために、
やはり土地などが異なるポイントが
あるのでしょうか。
ともかく酢酸ガスは
重要なポイントですね。
ココ
さん中国といえばヌードや蒸しパン。
肉まんや餃子などもその一種ですね。
中国は日本と同様にお米を主食としながら
小麦も沢山摂取しています。
日本の小麦はそのほとんどを輸入に頼っている状態ですが、
中国は生産量も多い。
その地域によって性質が変わるとなると、
米国よりも中濃くに近い日本の品種は
いかなるものか?
気になりますね
トーテム
さんそういえば中国といえば蒸しパンというイメージで普通のパンというイメージはあまりないですね。
成るほど小麦の製パン性が主因だったのですね。
kanakana
さん産地によってそんなにも性質が違うものなのですか?
小麦粉は小麦粉で
どの小麦粉でも同じようなパンが出来上がるものだと
思っていました。
奥深いですね…。
中国も食の洋風化が起こっているのですね。
美味しい中華料理が和食同様、廃れる日もくるのでしょうか。
心配です。
なぜ何でもかんでも洋風化をたどるのか…
謎です。
いちご
さん大量生産できる装置は、職人さんが開発するのですか!?
ダンボ
さん低コストかつ安全に、大量処理できるようになったら
良いのですが。
aZuuu
さん小麦粉液状化とはすごい!でんぷん?ゼラチンみたいに使えるでしょうか?
偽PT
さん実現できれば素晴らしいと思います。将来が楽しみです。
zoyu
さん将来的に実現可能になったら素晴らしいですね!
先生のお話を覚えておいていつかその日が来るのを楽しみにします。
shin
さん中国が世界有数の小麦生産国である一方、アメリカ、カナダ、オーストラリアから沢山の小麦粉が輸入されているという事実は初めて知りました。研究が矛盾解消にうまく生かされることを期待しております・・・
maki
さん大量生産となると難しいのですね。
中国、日本ではグルテンの弱い小麦が育つのでしょうか。
nao
さん実際に食べたときの食感が気になります。
オサム
さん大量生産にはなかなかハードルが高いようですね。
原材料だけを見れば量産は難しくない訳ですから、
仕組みだけの問題のようですし、費用面が折り合えば
商品としても成り立つのですね。
実際の食感などはどうなのでしょう?
ちびすけ
さん自国で栽培はしているのに、
多くの小麦を輸入しているのですね、
驚きです。
ぜひ、中国産の小麦で作ったパンも食べて、
違いを比べてみたいです。
ふたちゃん
さん連続的に処理できる装置ができると画期的ですね!
人が想像することは近くも遠くも実現するという言葉を聞いたことがあります。
実現するといいですね。