マイタケパンは、ただマイタケパウダーをそのまま小麦粉ドウにブレンドしても得られませんでした。
その原因はいろいろ考えられましたが、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の可能性を考えました。とにかく小麦粉ドウにマイタケパウダーを入れて混合するだけで、そのドウは溶け、水飴状になってしまうのですから。
他のキノコ類はどうかというと、ヒラタケ、エリンギ、シイタケ、ツクリタケなどを小麦粉に混ぜて同様に調べました。ヒラタケがマイタケの10倍量入れると同様に溶けるぐらいで、あとはそんな事はありませんでした。とにかくこのマイタケが他のキノコに比べて圧倒的にこの性質の強い事はテストして初めてわかりました。プロテアーゼの性質が強烈だったのです。
茶碗蒸しなどでも卵が溶けてしまうほどなのはこのためです。卵はタンパク質です。
プロテアーゼは酵素の一つです。酵素はタンパク質でできていますので、これを破壊するのにはタンパク質の熱変性が効果的です。
そこでマイタケパウダーを水に懸濁し、これをナベに入れて30分間ほど沸騰し、冷却してからマイタケとして製パン試験に用いました。
こうしてマイタケ水懸濁液を一度煮沸してプロテアーゼを完全に失活させた後、ドウに添加して製パン試験を行なうと、今度はドウの水溶化もなく、きちんと膨化したパンが出来ました。
やはりマイタケのプロテアーゼが原因でした。このプロテアーゼは金属プロテアーゼだろうとキレート化剤(EDTA)を用いて製パン性を行ないました。やはリキレート剤で効果が出てプロテアーゼは加熱しなくても小麦粉ドウの水溶化は阻止され、処理後、製パン性は回復しました。
その後、電気泳動法を用いて、小麦タンパク質のプロフィールをこのマイタケプロテアーゼ処理前後で比較検討しました。プロテアーゼによる破壊は小麦タンパク質でも特に高分子量区分がされるようでした。
マイタケの抗腫瘍性の性質は多分マイタケ多糖類によるものでしょう。このため熱処理しても多糖類はタンパク質と違って安定だから抗腫瘍性の性質は大丈夫と考えらます。
マイタケブレンドパンを少しづつ毎日食べていると、知らないうちに体内で発生してくる僅かのガン細胞はこのマイタケの力でそのうちに消えてゆく事がありえると思われます。
面白い事に、未加熱処理マイタケパウダーの少量を入れると、パンはその製パン性が壊れる事なく、むしろ僅かに容積の良い製パン性の変化の得られる事も観察されました。
少量添加ならば製パンに与えるプロテアーゼのよい効果が出たのでしょう。
つづく
ひぽぽ
さんきのこ類はほとんど同じとばかり思っていました。
舞茸の風味などは、ここまでくると、
全くなくなるものなのでしょうか?
ゆう
さん茶碗蒸しの卵も溶けてしまうほど強力なのですね。舞茸パンが普及して、癌のリスク低下に貢献できたら素晴らしいですね!そうしたら、癌患者も減って平均寿命ももっと伸びそうですね。
もも
さんガン細胞が少しずつ消えていくなんて夢のようですね。
やはり、きのこ類の食物繊維が影響しているのでしょうか。
りんご
さんきのこの種類によっても
性質が違うんですね!
味の面ではあまり影響はないんですよね?
いちご
さん同じきのこでも全然違うのですね☆舞茸の渋味が好きです。
koko
さんマイタケパン。
いったいどんな味なのか、それが気になります。
偽PT
さん色々試されたなかで、一番の性質はマイタケなんですね。
マイタケパンは普通のパンと味は全く違うのですか?
ジョー
さんマイタケパン・・・。どんな味がするのでしょう??
ぽん
さんやはり、色々なキノコで試されたのですね。
でもマイタケだけなんですね。
ト-テム
さんそれぞれの特性が引き出された素晴らしいパンができるといいですね。
nao
さん営養素的にも、きのことパンは相性がよいのですね。
深い話ですが、少しパンの見方が変わりました。
Shozzy
さんマイタケに抗腫瘍性の効果があるのを初めて知りました。
何となく健康にいいんだろうと思っていましたが、
マイタケのいいところがパンに生きるといいなと思います。
ミー
さん以前シイタケが好きとコメントさせていただきました。マイタケの酵素がポイントだったのですね!!
ダンボ
さんマイタケパウダーの少量を入れると・・・容積の良い製パン性の変化が得られ、また、ガン細胞がこのマイタケの力でそのうちに消えてゆく事がありえるのなら、素晴らしいですね。
人間社会でも、地域社会が豊かになる原動力は『若者・ よそ者・変わり者』にあると期待をこめて、言われています。マイタケは、ちょうどそんな役回りなのですね。
よそ者、変わり者に期待したいですが、限度を超えないようお願いしたいものです。
オサム
さんマイタケのプロテアーゼで
肉を軟らかくする料理法があるようなので、
かなり強いのだと思いますが、
たんぱく質である酵素が、金属特性を持ち
キレート剤で酵素としての特性を失うというところは
非常に面白いです。