セルロース粒の加熱処理でセルロース粒に何か新しい機能は生じないだろうか?

白色状のセルロース粒(650μメータ-)を磁性のるつぼに入れ、途中ガラス棒で引っ掻き混ぜながら下からガスバーナーで加熱しました。

15分ほどやるとセルロース粒表面は真っ黒になりました。これを炭化セルロースサンプルとして使いました。このやり方は少々再現性の点で問題があるとして、実験がうまく行き始めてからきちんとした加熱装置により250℃,20分間の炭化処理を行ないました。

セルロース粒は炭水化物だから、炭化によってトリプトファンからTrip -P-1や、あるいはグルタミン酸からGlu-P-1という発がん性物質の生成はありません。

その点安心です。この炭化したセルロース粒表面に何か吸着しないだろうか。

田原さんは、食品添加物、特に実験のやり易さから、眼で見てすぐ判別のつく食用色素について注目しました。日本で許可されている合成着色料は7?8種類ほどあります。何れもきれいな色で、色調ははっきりしていて、安定で、色伸びがよい、安価であるという塩梅です。

いろいろ調べているうちに、日本は、この食品添加物に対し、かなり他の国、ヨーロッパ,アメリカなどよりその規制が緩いように思われました。

これらを全て許可していない国もあるというのに。規制の厳しいわが国と思っていたのに少々意外でした。

これら合成色素の安全性に対しいろいろ研究されております。有毒性、発ガン性など多くの面で研究報告があります。それらにもとづいて他国では規制されているのでしょう。

田原さんは、日本で許可されているこれらの合成色素を片っ端から調べました。炭化セルロースへの吸着性をチェックしたのです。小さなカラムにセルロースを詰めて、そのカラムに色素水溶液を流しました。

その結果、3種の赤色色素が吸着しました。それはエリスロシン、フロキシン、ローズベンガルでした。勿論未加熱セルロース粒にはすべての合成色素が吸着しませんでした。

つづく

Shozzy

  さん

国が決めたこと=安全ではないので、自分でも判断できるようにしておかないといけないと思いますが、専門的なことだと正直わからないことも多いです。

専門家の皆様を信頼して買うしかないので、利害関係だけではない判断を期待したいです。

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りぃこ

  さん

ヨーロッパやアメリカの方が、
お菓子などの着色が斬新なイメージがあるので
そういった国より食品添加物の規制が
日本のほうが緩いという事実には驚きでした。

着色したセルロース粒をどのように活用するか
とても楽しみにしております。

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creo

  さん

今回のお話の内容にも驚かされました。

日本よりも、欧米諸国の方が
合成着色料を使った食品が
多くある印象だったので
日本の規制が緩いというのは
意外でびっくりしますね!

セルロースについても毎回新しい発見を
教えていただけるので
毎回楽しみにしています。

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りょう

  さん

合成着色料において
日本は安心だと考えていましたが、
そういうわけではないのですね。

セルロースでの合成着色料の
吸着する性質・・・

続きが楽しみです!

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わたぼう

  さん


日本は、食品添加物に厳しい国だと
思っていたので驚きました。

炭化したセルロース粒に
色素が吸着したということは
その色素は安全と
捉えてよいのでしょうか…?

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シフォン

  さん

添加物の規制に厳しい日本ですから、
無毒性がきちんと証明されているのでしょうか。

それにしてもすべてを許可していない国がある
というのはなぜでしょう。気になります(._.)

セルロース粒の新たな性質。おもしろいですね!

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おまめ

  さん

日本はこういった基準値等の規制が
厳しい国だと思っていたので、
その意外性に驚きました。

セルロースは有毒性、発ガン性が
ないとのことですので安心ですが、
普段から自分自身、着色料を
もっと気にしていこうと改めて
思いました。

続き楽しみにしております。

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ポテト

  さん

発がん性や有毒性の研究報告があっても
我が国で合成着色料は
許可されているのですね
私も驚きました。

この炭化セルロースの吸着性と
合成着色料の安全性には関係性が
あるのでしょうか。
次回の続きが大変気になります。

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夢苺

  さん

食品添加物は、その国によって
許可されているものと
そうでないものがあって
危険はないであろうという推測
で許可されているものが多い
ので少し正直怖いです。

吸着する・しないの結果から
何が言えるのかたのしみです!

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ダンボ

  さん

炭化セルロース粒 研究の目的が、すりガラスの向こうに,かすかに見えてきたような気がします・・・。

恥の上塗りになるかもしれませんが≪きっとなる!≫、前回(34話)のブログのコメントとして、マトリックスにセルロース粒が捕捉される様子の仮設を2件記載しました。
しかし、電車で「押しくらまんじゅうされている」中で、ふと思ったのですが、マトリックスは「大きめのセルロース粒」を囲むように、「後から形成される」のではないかと思い至りました。
もうここまで来ると、化学というより推理小説の領域ですが・・・。

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ミー

  さん

合成着色料など食品添加物は
多くの加工品に使われていますね。

国が許可しているのだから安全だろうと
普段からあまり気にはしていませんが、
炭化セルロースに吸着する・しないが
何を表しているのか…少し怖いような…
続きが気になります。

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