山守先生からいただいたもち小麦サンプルからデンプンを取り出して少しずつ仕事を始めました。
デンプンの染色では、ヨーソヨード染色が有名です。デンプンが存在しているかどうかを調べるのに、薄いヨーソヨード溶液(黄色)をかけてやればいいのです。デンプンがあれば着色します。
いただいてサンプルを酢酸分画法で分画し、小麦デンプンA粒(大粒)を取り出しました。
このデンプン粒とウルチデンプン粒との違いはないかと探すのが本研究の目的です。
この純白のモチ小麦デンプン粒はウルチ小麦から取り出したものと全く違いはありません。
デンプンのウルチ、モチの違いと言えば、ヨーソヨード溶液での染色の違いですから、手許にあるヨーソヨード溶液で染色してみようと思いました。
手許にあるヨーソヨード溶液は25%KI/10%I?というヨーソヨード溶液の原液の様な高濃度の溶液でした。
本来は水でうんと薄めて、0.2%/0.04%の溶液として使用するのですが、この際この儘使って見ようと、スライド上でデンプン粒にこの濃いい溶液をたらして上から顕微鏡観察(100倍)しました。
デンプン粒は、顕微鏡下でみるみるうちにその粒形を丁度花びらが開くように開いたのです。一度開くともう元には戻りません。開いたところをよく見ると、中心部の濃いいところ(黒い)と、その周辺のピンク色の花びら状のものとに分かれました。
僅か数秒のうちにその動きが見られました。なぜそうなるのかは不明でした。大変に衝撃的でこれを何度も眺めました。
しからばウルチデンプン粒でもこうなるのか?
同様にウルチデンプン粒を顕微鏡下でヨーソヨード溶液処理し、観察しましたが、こちらは真っ黒でがっちり固まったままで全く全く開かず、動こうともしなかったのです。
つづく
オサム
さんモチとウルチの差は米として経験的に認識していたのですが
小麦でもおなじようにモチとウルチの差がある事を科学的に
解明するというのは非常に興味をそそられますね。
ダンボ
さん花びら状に開く瞬間は、万華鏡をのぞいているようなものなのでしょうか。
イオン結合の特定の部分が離れて,トランスフォーメーションの連鎖・・?
ミー
さん花びらみたいに染まったモチ小麦でんぷん粒
だんだんと開く様子が幻想的ですね。
なぜそうなるのか?ということも気になりますが、
その花びらみたいなでんぷん粒見てみたいです。