小麦デンプンの一部はB粒(小粒)ですが、これは小麦粉を酢酸分画した際、テーリングス区分に集まります。粒径はA粒(大粒)のほぼ十分の一で、1?2μメーターのものです。形はA粒が扁平の凸レンズ状なのに比べ、B粒はほぼ球状です。B粒はその生合成系がA粒とは異なっていると言われています。


この小麦デンプンB粒もやはりモチ小麦粉中に存在しています。
この濃KI/I2溶液で処理すると、A 粒は前述のように花びら状の部分と中心部の黒い部分とが認められました。B粒もやはり濃KI/I2溶液でゴースト化しました。しかしゴースト化して花びらの様に粒は開いてしまいますが、A粒の様なゴーストの中心部に黒変するような部分はなく全て花びら状になります。


このB粒のゴースト化の様子は、他の穀類(コーン、米等)のモチ種のような開き方でした。すなわちA粒のようなアミロースの存在のため黒変部の残存と言った感じではなく、全てアミロペクチンからなる種のモチ状でした。

従ってA粒とB粒とはこのあたりが多少同一種子の中でも違っている事が面白かったです。すなわち、同一の小麦種子をカミソリの刃で薄く切り、その細胞中のA粒、B粒を同時にKI/I2染色すると、一視野に夫々が数個認められましたが、A粒はパッと開いたところに中心部が黒っぽくなり、B粒はサイズが小さいが、やはりゴースト化しこちらはA粒のような中心部に黒色部は認められませんでした。


このことはA粒、B粒は生合成ルートが違うという事を示すものでした。


つづく

ダンボ

  さん

7月29日の日経新聞に「パナソニックは植物とほぼ同等の効率で人工的に光合成する技術を開発した」、との記事が掲載されていました。
この技術と、生合成ルートを操作する技術が合体すれば、思いのままに,デンプンを、植物を介さずに作れるかもしれません。
化学音痴の独り言!

返信

ミー

  さん

実験でも「ゴースト化」という表現があるのですね。
初めて知りました!
一度花びらのようになっている状態を見てみたいものです。

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オサム

  さん

粒の大きさと言う違いだけではない
A粒B粒の違いはなんなのでしょう?

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