北海道農業試験場にいらした山内 宏昭さん(現 帯広畜産大学教授)にお願いして、104日間、モチ小麦 (5種、K107 Wx 1, Tanikei 1881,1884, Morikei CD 1478, 479)を育てていただきました。

その間、開花後6,16、33 、37日目というようにサンプルを収穫していただきました。デンプン粒を偏光顕微鏡観察すると、デンプン粒独特の暗十字を示しながら次第にその生長が認められました。

これらを濃KI/I2で染色すると、何れもGhost化を示しました。すなわちこれまで粒形のデンプン粒は、花が開くように中心部の黒褐色部とその周縁部のピンク色の部分への変形(これをGhost 化と言います)です。周縁部は、日数とともに38、57、65、82%と増加してゆきました。

つまり、デンプン粒は、はじめGhost中心部(色の黒褐色部)から形成が始まり、次第に周縁部(ピンク色の部分)の形成へと続くようでした。5種類いずれも同じでした。

大麦、米、トウモロコシ、アワ、ヒエのモチデンプン粒が入手できました。何れも偏光顕微鏡で暗十字を示し、濃KI/K2溶液でGhost化しました。しかしながらこちらは小麦デンプン粒とは異なって何れも単一の袋状でした。つまりGhostの構造には、黒褐色部、ピンク色部はなく、黒褐色部のみの構造でした。

つづく