キミカ(株)から各種アルギン酸サンプルの製パン試験の依頼を受けて進めてきました。
キミカでは、チリの海中から採取した褐藻類からアルギン酸を抽出しています。アルギン酸とは,グルクロン酸、マンヌロン酸からなる多糖類ですが、消化出来ない食物繊維です。
アルギン酸は褐藻類に70-80%ほど含まれる多糖類で、海水中に生活する海藻類(コンブ、ワカメ類)の骨格をなす物質です。この物質を抽出して食品添加物として利用しています。
このうちプロピレングライコールアルギン酸エステルは製パン業界で利用されていますが、なぜ製パン性(パン高、比容積)に効果があるのかを調べてほしいとのことでした。
アルギン酸自身は酸性ですから、これを水に懸濁するとpHは低下します。NaOH, KOHあるいはアンモニア等のアルカリを添加して中和したり、さらにエステル化して食品に利用しています。
このアルギン酸に得意的な性質といえば、ストロンチウム90、セシウム等の放射性物質などを吸収する力のあることです。これを食生活に利用するときには何かこのような大切な性質を利用したいものです。
12種類の各種アルギン酸サンプルをいただきました。それらの添加製パン実験の結果、プロピレングライコールアルギン酸エステルを1.0-1.5%添加したとき、またはアルギン酸ナトリウムサンプルを1.0-1.5%添加した時、製パン性の改良効果がありました。
その他、アルギン酸カリウム、アンモニウム塩では認められず、アルギン酸カルシウム塩、フリーのアルギン酸では製パン性は低下しました。
これらの結果を、会社の方に2013年度日本農芸化学会大会で発表していただきました。
山口哲正
さんアルギン酸、アルギン酸エステルを全体重量に1~1.5%添加した時のパンの特性をご教授下さい。
chaw
さん他のアルギン酸化合物だと低下したり、変化がないのに
アルギン酸ナトリウムだと製パン性が改善するんですね。
recruit
さんアルギン酸に放射性物質を吸収する力があるのですね。
様々な物質の性質を研究によって把握し、食生活に利用できるといいですね。
ぽてと
さんアルギン酸とパンは結びつかなかったです!
素晴らしい効果があるのですね。
チリ産のものを使用されているようですが
日本のものを使っても効果は変わらないのでしょうか。
ふー
さんアルギン酸はいろんな
ところで活躍しているのですね。
放射性物質などを吸収するのは驚きました。
偽PT
さんパン作るのに様々な実験を行っているんですね。いつも読んでいますが、いつも新しい発見に驚いています。
Shozzy
さんパン作りに役立ちそうなものの候補がたくさんあるんだなといつも思います。僕も常に仕事へのアンテナを高く張っておきたいです!
ぺぺろんちーの
さん海藻に含まれる物質が放射性物質を吸収するなんて不思議ですね。有効利用できることを期待しています。
トーテム
さんなんとなく健康効果が高そうなパンになりそうですね。
実際にどのような効能のあるパンになるか楽しみです。
ダンボ
さんアルギン酸も、手をつなぐ相手によって、随分機能が変わるのですね。
例えが悪いかもしれませんが、
多くの会社で、新入社員を迎えています。新入社員が組織に、どのよう
な影響を与えるのか、新入社員が正の社風にうまく染まってくれるのか。
多くの会社でも、試行錯誤(実験)が続いています・・。
cureia
さんアルギン酸の研究が進めば、家庭の食事を放射能から守れるかもしれないんですね!大変驚きました。製パン性のについても研究が進むことを願っています。
オサム
さん食物繊維であるアルギン酸に
放射性物質の吸着効果があるというのは
大変面白いですね。
そのような物質はほかにもあるのでしょうか。
kame
さんアルギン酸を添加したパンの味は
通常のパンと何か違ってくるのでしょうか?
海藻から採取しているとのことなので
勝手なイメージなのですがお惣菜パンに
向いていそうですね。
ミー
さん放射性物質は、今でも不安を感じている方も
多いと思うので、アルギン酸の性質を利用して
商品が作られれば良いですね。
ふたちゃん
さん先生の記事を読んでいて、あらゆる食品から製パン性が発見されることにいつも驚かされます。
Pig。
さん良い成果が表れるといいですね。震災が起こってから、日本では放射性物質のニュースが多いので、アルギン酸を利用できる機会が増えることを願っています。
りんご
さんアルギン酸ナトリウムサンプル添加した際の、
製パン性の改良効果とは
具体的にパンのどのような特性で効果があるのか
是非知りたいです。
ひいらぎ
さんなぜ、効果があるのかがわかれば、アルギン酸の用途も広がり、新たなパンの開発もはかどりそうですね!5年後、10年後には、どのようなパンが作れるようになっているのか、楽しみです。