私たちのバナナパンの研究論文 " Development of Gluten-Free Bread Baked with Banana (Musa spp.) Flour" が、FSTR ( Food Science and Technology Research ) 誌にAccept(受理)されてほっとしています。小麦粉グルテンによるパンの膨化を、過熟バナナの粘りに置き換えてパンを製造しようというものでした。
このバナナパンの研究は、2008年8月に本学(神戸女子大)にいらした神戸ミャンマー皆好会(井上卓也事務局長)の権藤眞禎氏, 北山秀敏氏らの話から始まりました。権藤さんは、これまでNPO法人のこの会の理事として、ミャンマー(ビルマ)で植林(マングローブ)事業をボランテアですすめてこられました。
日本の企業は海老養殖を行うために、多くのマングローブの木の伐採を行い、ミャンマーの海岸線は津波、風水害に対し何の防壁も無い裸の状態にされました。これを復旧しようと、マングローブの植林をすすめてこられました。ミャンマーの危機を救おうという団体でした。さらに地球温暖化対策としてマングローブの植林の意味もありました。
活動の中心は、ヤンゴンから車、船、バイクで7時間ほどの奥地、アレイワ村の付近でした。植林の活動中、近所の子供たちがでてきて彼らとも友達になりました。
しかし、2008年5月2日ミャンマーに未曾有のサイクロンが来襲し、14万人の死者、行方不明者を出しました。
このサイクロンで子供たちの消息も不明になりました、現地とは連絡がとれなくなりました。
NPO法人神戸ミャンマー皆好会は、この災害を知り、「今こそ神戸の震災で学んだボランテア精神を発揮するとき」とミャンマーに医薬品、見舞金、寺の修理で援助してきました。
権藤さんらはこの被災地を再び訪ねる日まで、子供たちはどうなったか心配でした。
植林のボランテア活動を再開すると、子供たちがでてきました。しかし、小学校は流されました。本会ではお金を集めて小学校の再建に協力しました。本学も小学校の中に"ひろし文庫"と称して図書コーナーを作り、図書を送って喜ばれました。
こんなときに何か子供たちに喜ばれるものはないだろうかと、権藤さんに尋ねました。現地ではどこの家庭も庭にもバナナの樹を育てています。。バナナは我々が食べるような大きなバナナではなく、もっと甘い小型のバナナです。子供たちは、それをもいで、おやつに食べているようでした。
ミャンマーだからキャッサバやヤムイモ等のデンプンは、あるでしょう。さらにミャンマーには古くからヨーロッパ人たちが入り込み、パンの文化が持ち込まれていて、フランスパンなどもよく食べられているはずです。こんなところから、捨てるような過熟バナナと現地の豊富なデンプンを使い、パンを焼く技術があればおやつとしてのバナナパンはできるはずと考えました。
こんなところからこの研究は始まり学生諸君の協力の下、グルテンフリ-パンとしてバナナパンの技術は完成しました。この技術など現地の子供のおやつに紹介したいものだと考えてます。
sai
さんバナナでパンができるのですね。驚きです。
sai
さんバナナでグルテンフリーのパンができるんですね。驚きです。
バナナの楽しみ方が一つ増えて、ミャンマーの子どもたちにも喜んでもらえそうですね。バナナパン技術が現地に早く根付くといいなあ、と楽しみにしています。