昨年2015年6月、フランスのパリで6th
International Fibre Conference 2015の会があり、"Effects of
size of cellulose granules on dough rheology, microscope, and bread-making
properties" のタイトルで口頭発表を行いました。
パリから新幹線TGVで5時間、ピレネー山脈麓のルルド市へ向かいました。フランスの田園風景を見ながら山中にどんどん入って行ったところにある宗教の町でした。
ルルドはカトリックの聖地であり、ここで1800年代にベルナデッタが聖母マリアのお告げを受けたところです。ベルナデッタは殆ど文盲のような女の子で教会の雑用係でした。しかし信心深く、マリアをしたってルルドの水脈の流れ出る洞窟の中で毎日祈りを捧げていた様です。ある日、いつもの様にその洞窟でマリアを祈っていると、そこに薄いブルーの帯をもったマリアが出現したのです。ベルナデッタはマリアに問いかけ、大きな感動を受けました。
ベルナデッタは急いで教会に戻り、その様子を包み隠さず周囲のシスター方へ報告しました。しかし殆ど相手にされなかったようです。こんな事が幾度かあったようです。その後、たびたびのマリアの出現に、周囲もベルナデッタにマリア像を見るようになっていったのでしょう。
ルルドには大きな病院が幾つかあり、多くの患者が療養しています。広場で行われる夜のミサなどには多くの若いボランテアが大きなベッドに患者をのせ、ミサ聖祭に参加していました。ベルナデッタがマリアと会った洞窟の壁からは水が染み出ています。この水は奇跡の水で有名でした。多くのヒトがそれを飲んだり、身を清めたりして病気回復を祈ってました。
ノーベル賞受賞医、アレクシー・カレルはこのルルドで多くの奇跡を見ています。カレルによるルルドの医学事務局報告は、以下のように述べています。 「治る過程は一人一人ほとんど同じである。多くは鋭い痛みがある。そして突然、治ったという感じを持つ。解剖学的な損傷の疫痕化する速度が普通の場合よりずっと早い事は確かである。この現象が起こるのにかかせない条件としては、祈りがあるだけである。その病人のまわりの誰かが祈りの状態になるだけで十分である。奇跡の主な特徴は、器官が回復する過程が極めて迅速な事である」と。
このようにして奇跡がおこるのです。
ルルドを訪ねることで、祈るという行為は何かしら人間に与えられた重要な行為と感じられました。
小生は、勤務地の神戸から自宅の京都にもどった都度、近くの醍醐寺まで散策します。そこの女人堂という小堂が気に入り、そこで手をあわせます。するといま考えていて、迷っている時の答えが、手をあわせることで心の中に自然とわき上がってきます。いつも不思議に思っております。