サワードウ小麦パン

小麦(30%)、非毒性オート麦、アワ、ソバ粉のミックスで作ったサワードウに選択したサワードウ乳酸菌、上述(L. alimentarius 15 M, L.brevis 14G, L. sanfranciscensis 7AL. hilgardii 51B; 109 cfu/g dough)のもので、更に長期間(24時間)発酵に供した。発酵前半液体の小麦粉は、サワードウ乳酸菌酵素に完全にさらされる可能性が不可欠である。殆ど完全なグリアジンの加水分解は達成され、一方オート麦,アワ、ソバからのプロラミンは発酵中には影響されない。化学的に酸性化されたドウ、あるいはベーカーズイーストだけでスタートしたドウと比較すると、加水分解はサワードウ乳酸菌のタンパク質分解活性によるものであり、更にグリアジンはイーストによるドウ発酵では影響を受けないという事である。小麦サワードウは選択された乳酸菌でスタートし、30℃、24時間発酵され、さらに非毒化した粉と最大比(3:7)で混ぜ、さらに2時間30℃でベーカーズイーストで発酵し、220 20分間焼いた。このパンと約2gグルテンを含むベーカーズイーストのパンを作り、セリアック病患者による生体中二重盲検急性挑戦に用いた。17患者のうち13人はベーカーズイーストパンの摂取後、腸の透過性に変化が見えた。

サワードウパンを食べた同じ13患者は腸の透過性に価値があったが、ベースラインの値から顕著な相違はなかった。残った4人の患者はベーカーズイーストパンあるいはサワードウパンのいずれにも食べた後グルテンに反応示さなかった。これらの予備的結果が更なる研究を奮い立たせたのは、それらが重大なトライアルから加水分解前の小麦粉の適当量(2g)でもセリアック病患者に耐性を示したからである。

プロバイオテック VSL#3調製剤も、長い発酵のあと小麦粉の毒性を低下させる力を示した。2次元電気泳動、免疫学(R5抗体)、マススペクトロメトリー分析(図12.2)は、殆ど完全にグリアジンが発酵後に分解した事を示した。非加水分解グリアジンはpeptic-tryptic (PT)分解にかけると類似の胃腸プロセスになり、マススペクトロメトリー分析によって既知の毒エピトープの存在が確認された。最も良く知られたエピトープの研究は、非常に低濃度(sub-parts/million range)のα--2−グリアジンf 62-75の存在であった。これまでの研究、sourdough lactobacilli (Di Cagno et al., 2004)に関し、新しいin vitro(試験管内)、 ex vivo(生体外)分析は進んでいる。ラット小腸上皮細胞IEC-6にコントロールのそのままのグリアジンをさらしたものと比較すると,VSL#3消化前グリアジンはF-actinの目立たないが再組織化を引き起こし、小腸粘膜透過性の低下効果を映した。Zonulinは,毒ペプチドに答えるメカニズムとして小腸透過性の増加を支える分子であるが、グリアジンで処理すると小腸上皮細胞から生じるが、VSL#3で消化するとかなり低くなった。小麦タンパク質はドウから抽出されPT消化に供した。化学的に酸性化したドウからのPT消化物と比較すると、VSL#3で発酵したドウからのPT消化物は、セリアック空腸生検でCD3+皮膚上皮リンパ球の浸潤の増加はなかった。全体的にCD3+上皮内部リンパ球は、グルテンをセリアック病になった患者からの小腸粘膜にさらすと増加する。上述の結果から,VSL#3プロテオバイオテック調製物はグルテンエピトープの毒性を低下する力があった。

発酵デュラム小麦セモリナによるパスタ

小麦サワードウパンで述べたと同じような接近がパスタ製造で行われた。選択した乳酸菌集団がデュラム小麦セモリナの発酵に液状条件で用いられた。発酵後,ドウは冷凍乾燥され、ソバ粉と比率3:7で混ぜられ"fusilli"タイプのイタリアパスタを作るのに用いられた。前発酵無しパスタをコントロールとした。2つのタイプのパスタを官能テストした。粘り、かたさのスコアが僅かにコントロールパスタで高かった。香り、フレーバーは2つのタイプのパスタで違いはなかった。2次元電気泳動とマススペクトロメトリーMALDI-TOF分析したら,殆ど完全にグリアジン区分の水解が示されていた。R5-Western blotによる免疫分析で示すように、グルテン濃度はコントロールパスタで6280ppmだが発酵パスタは1045ppmに低下した。このタイプのパスタは1045ppmのグルテンをまだ含んでいて、これはセリアック病のトリッガーであるが、発酵デュラム小麦セモリナを20%含む混合物のパスタ仕込みの利用では、理論的にはセリアック病の安全使用濃度内の新規製品になるだろう。グリアジンは、発酵、非発酵デュラム小麦セモリナドウから抽出したものを、さらにPT消化物を作りin vitro でヒト骨髄性白血病オリジンのK 563(S) subclone 細胞への膠着テストに用いた。PT消化物全体は膠着を起こさなかった。小麦パン、ライ麦パン、大麦パンの対照で、デュラム小麦はdecapeptide (10ペプチド)--を含み、PT消化物による膠着を阻止する能力があるが、それはセリアック病の阻止効果のようである。アフィニテイクロマトグラフィーはPT消化物を3つの区分に分けた。これらの分離区分で唯一の最も小さい区分には、膠着活性が含まれていた。発酵デュラム小麦セモリナのPT消化物のこの区分の最小膠着活性は約80倍ほどデュラム小麦セモリナのPT消化物より高いが、このことは低下した毒性を示す。これらの結果から、選択したサワードウlactobacilliの利用は又グルテン毒性を低下させたデュラム小麦セモリナからパスタ製造に適用できるだろう。

ライ麦発酵

選択されたサワードウの乳酸菌の集団もライ麦中のプロラミンの分解に力を示した。プロラミンはライ麦粉から抽出され、PT分解物を作りヒトのCaco-2/TC7細胞でin vitro試験した。選択したサワードウ乳酸菌によってライ麦PT分解物の加水分解をすすめ、PT分解物自身の毒性は低下し、それはCaco−2/TC7 細胞に対し細胞の生存測定、caspase-3活性測定、更に一酸化窒素 の放出により確認された。一方、プロラミンとグルテリンは発酵したライサワードウから抽出されPT分解に供した。化学的に酸性化したドウから作ったPT分解物と比べ、乳酸菌によるドウ発酵したもののPT分解物をセリアック病空腸の生検にさらした物は,CD3内部上皮リンパ球湿潤の増加は示さなかったが、これはFas expression で示され、細胞のアポトーシスの測定である。

Ractobacillifungal proteasesによる高効率グルテン分解

非常に多くのテスト、in vitro(例えば膠着性とCaco-2/TCアッセイ)、ex vivo(生検-derived T cells)とacute in vivo(小腸湿潤)がすすめられたが、上述の結果だけがはっきりしたグリアジン区分の低下を示した。このルートはグルテンフリー食品のクロスコンタミの危険性を除去するのに有効で有ろう、しかし完全な小麦粉の毒性の除去ではない。結果的に、サワードウ乳酸菌による水解能の増加のために更なる努力が行われた。カビプロテアーゼとともに、製パンでルーチンに用いられる他のラクトバチルス株は、はっきりとプロリンリッチペプチドに対するペプチダーゼ活性が特徴づけられ, 半液体状小麦粉ドウの長い発酵に用いられた。R5-サンドイッチ法、及び競合法ELISAでもとめたが、発酵したサワードウ中のグルテン残渣濃度は<20ppmで、これはグルテンフリー食品のCodex Alimentarius Commissionのスタンダードによって求められるものである。2次元電気泳動とMALD-TOFマススペクトル分析はアルブミン/グロブリン及びグリアジンの完全加水分解を示した。僅か約20%のグルテリンが存続した。加水分解後、サワードウ発酵しスプレードライした粉は主には水/塩可溶の低分子量ペプチドとアミノ酸の混合物である。低分子量エピトープはstrong cation-exchange liquid chromatography (SCX-LC)capillary liquid chromatography-electrospray ionization (CapLC-ESI)-q-TOF-MSTO R5-Western blot 分析によっても検知されなかった。発酵サワードウから抽出した全てのタンパク質区分のPT分解物は、in vitro末梢のblood mononuclear cells (PBMCs)proliferation(分裂急増)PBMCsによるIFNγ生産、12人のCD患者の小腸T cells lines (iTCLs)の試験に用いた。iTCLアッセイ前にPT消化物はtissue transglutaminase (tTG)-mediated deamidationを受けた。すべてのタンパク質区分はPBMCsの活性化を示し、ネガティブ コントロールとしてIFNγを誘導した。iTCLsのいずれもPT消化物に対し免疫反応を示さなかった。この小麦粉が完全なグルテンの加水分解後、確かな製パン性を保持するのに適しているかどうか不確かなため,製パン性の生化学的プロトコールを標準化した。サワードウ発酵後,水を除去し、この事前処理した小麦粉をベーカーズイーストと構造助剤を用いて製パンした。サワードウパンは非処理粉と構造助剤ぬきのベーカーズイーストパンと比較した。サワードウパンの比容積は、ベーカーズイーストパンの比容積によく似ていて、典型的なサワードウ小麦パンのフレーバーを示すと内部のパネルテストが判断した。これらの結果は、セリアック病患者が十分耐えられるベーキング食品製造の主成分である事前分解小麦粉の技術的パーフォーマンスの研究を大いに奮い立たせるものである。

将来の方向

グルテンフリー食事の服従点は、極端なチャレンジ業、クロスコンタミに関係する多くの問題、食品ラベリングポリシーの明確な欠除、グルテンリッチの食品と比較して貧弱なグルテンフリー食品の品質である点である。たとえグルテンフリーシステムの中でサワードウの活用が未だ幼少期と言われるなら、利用できる文献データーは、サワードウが疑いもなくグルテンフリー食品のテクスチュア、フレーバーの特徴を改良するのにその技術的手段として有効であることを強く示している。この伝統的バイオテクノロジーのコマーシャル上の利用は、強く保証される。一方では、サワードウ乳酸菌の胃腸病気のマネージメント上での役割は"新興と好奇心"とこれまで定義されて来た。これまでの研究から,サワードウ乳酸菌の利用は、確かに加工食品中のグルテンエピトープのかけらを除去するようであり、世界に広がるセリアック病によって影響される多数の人の長期危険を最少にするだろう。更に最近、サワードウ乳酸菌とカビプロテアーゼでグルテン<20ppmの濃度に前--消化した小麦粉だけで作ったパンで、セリアック患者が小麦パンで効果的な耐性の評価が得られるかどうかをin vivo長期試験でスタートした。

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