小麦、トウモロコシなどの国際価格が再び高騰し始めた。平成19年から20年にかけて経験したパン、食用油などの小売価格の値上げが再び始まっている。中国を始めたとする新興国の穀物需要が引き続いて急増しているところへ、ロシア、オーストラリアに旱魃、洪水があり生産量が減ったからである。
今や、世界の穀物は慢性的に不足していて、石油やレアメタルなどと同じように「資源化」しているから、事あるごとに国際投機マネーの対象になる。主要穀物の価格は10年前に比べすでに2.3倍になっていて、今後も価格高騰が頻発することは必至である。小麦、トウモロコシ、大豆などをほとんど輸入に頼っているわが国としては、食料の安定確保のため国内農業の体質強化を急がなければならない。
このような時期に菅内閣はTPP(環太平洋経済協定機構)への参加を表明している。TPPは加盟国相互の貿易関税を撤廃し、自由貿易を推進する国際協定である。わが国にとって工業製品の輸出には都合がよいが、その反面、安い海外農産物が流入して国内農業は壊滅的な打撃を受ける。
大規模農家は農地の集約化、経営の合理化、価格保障でなんとか対抗できようが、中山間地にある耕地面積1ヘクタール前後の小規模農家、100万戸はそれができず、後継者すら見つからない。これら小規模農家が農業を継続できなくなれば、中山間地の田畑は荒れ地に戻り、国土の自然環境、景観が維持できなくなる。
さりながら、TPP,EPA,FTAなど自由貿易協定への加盟は世界のすう勢であり、わが国はすでに取り残されかけている。国内農業が打撃を受けるからという理由で加盟を20年も先送りしてきた歴代の政権であるが、もはや躊躇はしていられない。米をはじめとする農産物の輸入自由化を前提として国内農業を維持し続けるために、これまでの農業政策を抜本的に改革、強化することが必要である。解決することが困難な課題は多いが、将来のために熟慮、断行する勇気を政府に望みたい。

こむぎ
さん穀物価格の安定化は日本では難しいところですね。
そろそろ日本政府も対策が打てるといいのですが・・・。
ダンボ
さん残念ながら、今の日本人に、中山間地の田畑を守れというは、は明らかに無理があると思います。
景観を残すためにとか、自然環境を維持するためにだったら、全く別の観点から対処すべき方法はある筈ですし、農業をやってみたいとか、ノスタルジー的な願望だけで農業はできないと思います。
食料自給の問題ならば、最悪の場合は今の科学力で草でも木でも食料にする方法を考えておいたらよいと思うのですが。
オサム
さんTPPは避けて通れないのが実情ですよね。
強い農業を作ってこれなかったのが
政策の失敗と思えるのは確かですが、
実際に国際競争力のある農業を作ろうと思ったら
格差を生み出す面も必然だったのではないかと思います。
これから実際に厳しい局面を迎えますが
その中から生き残り、拡大していく農業も
生まれてくるのではないでしょうか?
そのためには規制の撤廃が必要ですね。
RYU
さん輸入に頼っている日本は、
今後大量生産、大量廃棄をしていると
ホント危機的な状況になりますよね。。
政府にはなんとかしてもらいたいですね。。