平成13年、千葉県で狂牛病の牛が発見されると、市場で牛肉がいっせいに敬遠される騒動が起こった。狂牛病は牛海綿状脳症(BSE)と呼ばれている牛の病気である。牛の脳の組織がスポンジ状になって空洞ができるため、その牛は神経中枢が働かなくなってよろけたり、転んだりする。原因は脳神経細胞ににあるプリオンタンパクが異常プリオンに変質して蓄積、凝集するために、神経細胞が変性、壊死して脱落することである。

 この異常プリオンが人に感染すると変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症し、患者は神経機能が衰えて衰弱し、呼吸麻痺を起して死亡する。当時、イギリスでは狂牛病にかかった牛が18万頭も発生し、それから感染したと思われるクロイツフェルト・ヤコブ病の患者が延べ170人も出た。

 そのころ、畜産用の高栄養飼料として牛や羊の骨、内臓などを乾燥、粉末にした肉骨粉を使用していた。イギリスで発生した狂牛病の牛の肉骨粉がそれと知らずにヨーロッパ諸国に輸出されていたから、狂牛病は世界100カ国に広がった。わが国でも輸入の肉骨粉を使用していたので狂牛病の侵入を防ぎきれなかったのである。

 そこで、監督官庁は輸入肉骨粉の使用を全面的に禁止するとともに、食肉にされる牛の全てを解体の際に検査する「全頭検査」を実施することに決めた。脳に異常プリオンが蓄積していないかを検査して、異常があればその牛は全部を廃棄するのである。異常プリオンが検出されない牛であっても。汚染される可能性がある 脳、脊髄、眼球、回腸遠位部は危険部位として除去して食肉にすることを義務づけた。

 これらの処置により狂牛病を発症する牛は国内ではいなくなり、クロイツフェルト・ヤコブ病らしき患者はイギリスに長期滞在していた男性1人を除いて発見されていない。しかし、消費者の不安はいまだに収まらず、全頭検査は継続されている。事件発生後10年もたつのに厳しい全頭検査を継続しているのは世界で日本だけである。

 

ダンボ

  さん

イギリスから送られて来た最初の映像は衝撃的でした。狂牛病を発症した牛が、まっすぐ歩くことが出来ず、フラフラと進んでバッタリ倒れる、あのシーンは今でも鮮明に覚えています。
あれから10年経ったのですね。関係者の皆様には、安心・安全のため、今後ともしっかり検査していってもらいたいものです。

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ミー

  さん

もう10年も経っているのですね。
全頭検査は、手間もかかるし大変だろうと思いますが
消費者としては、問題になってから
ずいぶん経っても厳しくチェックしてくれている
というのは安心できます。

でもそのことを知らない方が
(私を含め)ほとんどだと思うので、
もっとアピールしても良いのでは?と思います。

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オサム

  さん

全頭検査がいまだに行われているとは
知りませんでした。
危険部位は特定されているので、
混入を防げば良いとは思うものの
牛肉偽装事件や危険部位混入の
ニュースを聞くと
必ずしも安心とは言い難いのが
人が管理する世界なのかもしれません。

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