戦前の農村では、季節の変わり目を祝う節句や冠婚葬祭には普段の食事とは違ったご馳走を作って神仏に供え、家族や親類縁者が集まって会食する習慣が古くより行われてきた。

 正月には鏡餅、雑煮とおせち料理、ひな祭りや村祭りにはちらし寿司や甘酒、端午の節句には柏餅と粽、お彼岸やお盆の仏事には団子、ぼた餅、そうめん、西瓜、中秋の名月には月見団子と里芋、子供の誕生、お宮参り、初節句、七五三の祝いなどには赤飯とお寿司、尾頭付きの鯛の焼き物などである。

 白米、小豆、生魚、卵などを使ったこれらの行事食は今日ではそうでもないが、当時はめったには食べられないご馳走であった。毎日の食事が質素で、変化に乏しいから、特別のハレの日には日頃は食べられないご馳走を作って客をもてなし、自分たちも楽しんだのである。おせち料理は主婦が正月三が日は煮炊きをしないで休息するための保存食でもあった。

 農村の生活とは違って、現在の都市の生活には季節の年中行事が少ない。行事食と言えば、正月の雑煮とおせち料理、クリスマスのローストチキンとデコレーションケーキ、大晦日の年越しそばであろうか。昔通りに、七草粥、節分の恵方巻き寿司、お彼岸のおはぎ,土用の丑の日の鰻、冬至のかぼちゃなどを忘れずに食べるのは高年者でも少ない。

 行事食や郷土料理は地縁社会で生きていた農民が食を楽しむ知恵であったと言ってよい。時代が変わり、生活環境が大きく変わったので、農村の行事食に代わる現代の食の行事はまだはっきりとは見えてこない。

 食卓に季節感を感じることが少なくなった。ハウス栽培や冷凍技術の普及で、季節や旬に関係なくあらゆる食材がいつでも手に入るからである。毎日、おいしいものを食べているから、たまにご馳走を食べてもさほどには喜べない。毎日の食べ物がすべて自然の恵みであり、味わって食べなくてはならないことを子供に教えるのが難しい時代になった。

 

 

 

 

B76

  さん

日本の四季の移り変わりと行事に関心を持ちつつ
これからは、食事を楽しんでいきます。

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オサム

  さん

行事食については少し姿を変えつつも
残っていますが、ご馳走として喜ぶ物では
なくなっていますね。
食品メーカーや販売店の広告に
消費者が乗っているだけでしょう。
私は大学時代大阪で過ごしましたが
節分に恵方巻寿司なんて知りませんでした。
土用の丑の日のうなぎも元はと言えば広告からですね。
 
現代の日本の子供たちにとっては、
ご馳走と言えるもの自体がほとんど無い時代です。
「大切に」とか「感謝して」という意義は伝わっても
実感として伝わらなければいずれ廃れるのでしょう。

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ミー

  さん

行事食は季節の節目節目で大切にしたいですね。
全て手作りとはいきませんが、
行事食はだいたい食すようにしています。

ただし、誰かをもてなすというより
自分が楽しむ食になってしまっていますが…。

家庭を持ったら家族の為に
行事食を作りたいものです。

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