1.食料の4分の1が無駄に捨てられている

 食べるものが有り余るほど豊かになったので、私たちは食べ物の大切さを忘れて食べるものを惜しげもなく使い残し、食べ残して無駄に捨てるようになった。私たち日本人が1日に消費する食料は平均して一人あたり、カロリーに直して2417キロカロリーであるが、その内、食事として食べる、つまりお腹に取り込んだのは1889キロカロリーである。その差は1日、528キロカロリーにもなり、消費した食料カロリーの22%に相当する。つまり、国内産、輸入を合わせて1年間に供給された食料、約9000万トンの22%、2000万トンが食べられることなく廃棄されていることになる。昭和40年にはこの差が11%であったのだから、それからの半世紀で消費者の食行動やライフスタイルが変って食料の廃棄が2倍に増えている。

 わが家の台所を見回してみても、買ってきた食料の5分の1をも無駄に捨てているとは思えない。実際に捨てられている食料はどのくらいだろうか。スーパーやコンビニで売れ残って捨てられる総菜や弁当は10%ぐらいあるという。食品メーカーでも売れ残り廃棄が5%ぐらいあり、家庭では調理屑、廃棄、食べ残しが20%ぐらい、外食店では食べ残しが30%はあるらしい。農林水産省の平成17年度調査によると、食品製造業、小売業、外食店などから排出される生ごみが年間、1100万トン、家庭から出る生ごみが1100万トンであるから、食料の廃棄量は合計2200万トンである。それから10年後の平成28年、環境省が調査したところ、捨てられる食料は事業系と家庭系を合せて1676万トンであった。つまり、食べずに捨てられる食料は使用した食料の19-24%もあることになる。

 このうち、まだ食べられるのに廃棄された食品、売れ残り、使い残し、食べ残しなどが600万トンから800万トンはあると推定できるので、それらをできる限り少なくすれば、魚の骨や野菜くず、腐敗したものなど「食べられない廃棄」は供給食料の12%、1100万トンぐらいに減るであろう。現在、22%にまで増えている廃棄量を12%に減らすことができれば、食料自給率は38%から45%に戻ると計算できる。簡単なことなのであるが、これができていないのが問題なのである。                               続く