ソバは、世界各地で広く利用されています。蕎麦の起源については、日本人科学者が野生祖先種を中国南部で近年発見し、この発見によってソバの起源は中国南部であることが明らかになっています。このようなソバが、中国から韓半島を経て我が国へ、一方でヨーロッパなどへと伝播していったと考えられています。
ヨーロッパでは、ソバは南欧・東欧を中心として広く利用されています。ヨーロッパで蕎麦の利用法には、粉食と粒食との両方の形があります。ヨーロッパでの蕎麦に関する古い記録を見ますと、ドイツに1396年に、チェコには1365年に、スロベニアには1426年にあります。10~15世紀頃にヨーロッパへ伝播したものと考えられています。蕎麦を今日でも利用している国としては,スロベニア、クロワチア、イタリア、ポーランド、デンマーク、フランス、チェコなどがあげられます。今回は、スロベニアを取り上げます。スロベニア共和国は、1992年に旧ユーゴスラビアから独立したベニア民族は6世紀中期からの古い歴史をもつ民族であり、大変美しい首都リュブリヤーナなどには、古代からの史跡を見ることができます。小生のブログの写真は、スロベニアのソバ畑です。
ソバが東の方から伝播した頃から、スロベニアのそば料理がつくられるようになりましたが、貧しい農民達にとっては、大変人気の高い食品であったといわれます。というのは、1つにはソバがいわば免税食品として取り扱われ誰にでも食すことのできる食べ物であり、また小麦、大麦の収穫の間に間作できる穀物であったことも大きい理由でした。その後、20世紀に至るまで長い間に貧しい人達の大切な穀物でありました。20世紀に入り、ソバの生産量は一時低下しましたが、現在では再び「古き時代の良き食べ物」として再び関心が高まっています。現在の消費量は約3000トンで、時には輸入もしています。
スロベニアには、伝統的なソバ料理が沢山あります。首都リュブリヤーナ近郊には、ソバ用の水車小屋があります。スロベニアには、ソバの粒食の形態が1つの主流の食べ方です。写真は、ニジマスにソバ米が添えてあります。また、写真にはありませんが、そば米の腸詰(カラバビツェと呼ばれます)もよく見られます。ソバ粉でつくるケーキもあります。とても美味です。ソバ粉でつくったパンもあります。町のスーパーマーケットなどに行きますと、様々なソバ粉や、ソバ米(カーシャ)がたくさん売られています。また、ズレバンカという料理があります。これは、北スロベニアの、オーストリアに近いムルスカ・ソボタ地方に今も残る郷土料理です。作り方は、溶いた卵と牛乳を混ぜ、その中にソバ粉と少量の塩を混ぜ、バッター状にします。次いで、玉ねぎを、多量の油の中で焦げ目がつくまで炒めます。天板にたっぷりのバターを塗り、その中にソバ生地を流し入れ、その上に炒めた玉ねぎと、炒め油をともにちらして置きます。オーブンで、約250℃で約20分間程度焼きます。焼きあがるころには、ソバ粉と玉ねぎの焼けたとても香ばしい香りがして来ます。表面全体がこげ茶色に焼きあがったら、出来上がりです。我が国の麺ではゆがく調理操作が入りますが、ズレバンカでは、我が国のそばがきのようにゆがく操作が入らず、栄養素をそのまま利用でき、またソバ粉全体を食することができ、その上大変美味なおすすめ料理です。一度お試し下さい。
その他、スロベニアには、ソバの花・茎をアルコール漬けや、花・茎を乾燥してしぼったジュースなどもあります。花や茎には、ルチンとよばれるソバ特有の成分(毛細血管の脆弱性を改善する作用や、血流改善然様など多彩な作用を示す)がソバ粉よりも多く含まれますので、アルコール漬けやジュースはルチンの大切な供給源になります。また、その他には、ヂガンチ(欧風そばがき料理)や、シュトルクリー(クレープに似た料理)など様々なソバ料理があり、良き伝統食品として今日も広く利用されています。
以前に、国際そば学会(IBRA)という学会があることを書きましたが、この学会を初めに提唱した著名なそば学者は、スロベニア・リュブリヤーナ大学生物工学部教授のイワン・クレフト先生です。そして第1回の国際ソバ誌シンポジウムが、1980年にリュブリヤーナ大学で開催されました。今年4月から1カ月の短い期間でしたが、クレフト先生に神戸学院大学の客員教授として来日願い、楽しいソバ談義をしました。今日はこれまでにします。
しろくま
さん世界には、ソバをつぶとしてそのまま活かす
食べ方があるんですね。知らなかったです。
日本だと、ソバが紐状のものになっているのが
一般的だったのでびっくりです。
ドロップ
さんいろいろな食べ方があるんですね。
海外にも!!(゜O゜)
関東に来てからそばにふれる機会が増えました。
こっちのおそばはおいしいですね♪
まな
さんそばは日本独特なものなのかと思っていましたが、
違うのですね!
海外に目を向けてみるとおもしろい発見がたくさんありますね。
オサム
さん海外のそば料理を知ると、
日本の麺としてのそばは
結構珍しい食べ方なんだと思いますね。
確かに技術も必要ですが
それだけおいしさも高いと思います。
それはそれとして、いろいろな料理も食べてみたいですね。
ミー
さんそばって日本食!って思ってましたが、
スロベニアでも多く食べられているんですね。
手軽に作れそうですが、とっても美味しそう♪
是非他の料理も教えていただけると嬉しいです。
トーテム
さんそばは麺でしか食べたことがないような気がします。もしかしたら知らず知らずに別の形でとっているということもあるのかもしれません。
色々な形のそばを認識したうえで一度食べてみたいものです。
トトロ
さん最近は普通に食べるそばだけでなく、ガレットなど色々な料理が出回っている気がします。
ズレバンカという料理は初めて知りましたが、日本に出回るのもそう遠い話ではないのかもしれませんね!
ぜひ食べてみたいです♪
りんご
さんそばは日本の食べ物かとおもいきや!!
海外でも歴史ある食材だったんですね★
逆に海外の方が日本のそばを見たら
どう思うんでしょうね!
ふたちゃん
さんそばも麺以外の食べ方は、なかなかお目にかかれないので、とても興味があります。
私はそばは苦手ですが、この記事のそば料理はとても食べてみたくなりました。
いちご
さん夏のランチは9割が麺類!
でもそばは今シーズン食べていませんでした。
そばも好きなのに。
そば粉入りのクレープが特に好きです。
mottei
さんそばというと麺というイメージでしたが
海外では、色々と料理があるのですね。
(ちなみに今日のお昼は、とろろそばでした。)
奥が深いと関心しました
RYU
さんそばって外国にもあるんですね。。
でも、、ずいぶん形がかわってますね(笑)
Mee
さんはじめてコメントさせて頂きます。
そばは日本の食べ物とばかり思っていました。
各国で食べられているものだと知り、驚きました。
ぽん
さんそばも所変わればずいぶんと姿形を変えるんですね。それにしても、馴染みのないスロベニアという土地でこれだけのそばが消費されているというのは驚きました。
ダンボ
さん近頃、蕎麦湯を頼む人はめっきり少なくなりましたが、
私は最後に蕎麦湯を頼みます。
単に美味しいから飲んでいたのですが、栄養素を取り戻
していたのですね。
それにしても、いろんなそばの調理法があるのですね。
Shozzy
さん蕎麦と言えば麺、のイメージですが色々な食べ方があるのですね。固定観念が出来上がってしまっていたので驚きです。
らぁる
さん蕎麦って日本だけでしか食べられないのかと思っていました。
でも・・そういえば、5月にフランスに行ったときに
ソバクレープというものを食べました。
調理方法は違えども、他国でもソバを楽しめて驚きました。
リンダ
さん野菜等のようにお蕎麦も茹でて食べると、
栄養素が抜けてしまっているのですね。
そば粉を使う国・料理の種類の多さに驚きました。
ズレバンカという郷土料理は見たことがありませんが
作り方を読んだだけで頭に思い描いております。(美味しそ~)
shin
さんヨーロッパでソバが広く使われているということを初めて聞いたので、驚きました。確かに、フランスのガレットは有名ですし、とっても美味しいですよね♪
ジョー
さんそばの花や茎にはルチンが多く含まれているのですね。
それを食べることは想像もつかないですし、味もどのような味なのかとても気になるところです。
夏場はのどごしのよいそばは格別にうまいのでよく食べています。