尿酸の産生が過剰になる要因の一つに"ストレス"があります。
ストレス.pngのサムネイル画像しかし "ストレスにはこの食事が良い!"と簡単には言えません。
ストレスが尿酸値を上げてしまう分かりやすい原因には、飲酒量増加・暴飲暴食等がありますが、中には心当たりがない方もいらっしゃるでしょう。
昨年4月、名古屋大が発表したニュース"ストレスが高尿酸血症の発症に関与するメカニズムを解明した"とありました。
ストレスはXOR(尿酸と活性酸素を産生させる酵素)を内臓脂肪・肝臓・小腸で活性化させ、血液中の尿酸値が増加するというのです。また、高尿酸血症を早期より治療する事で、糖尿病・血栓症をも予防・抑制できるかもしれないとしています。

・ストレス状態=交感神経が優位
交感神経・副交感神経.png自律神経には交感神経と副交感神経があり、常にシーソーのようにどちらかが優位な時は、もう一方は休んでいます。
副交感神経はリラックス状態や夜の睡眠時に優位に働き、身体の回復がしやすい状態です。
一方、交感神経は緊張状態やストレス状態で優位に働き、この状態が続くと自律神経失調症・不眠等、良くない症状の原因になってしまいます。
ストレスと尿酸値上昇の原因は、交感神経優位の状態では内臓への血流量が減少し、腎臓で尿酸を尿として排出する量が減少し、結果尿酸が蓄積されると考えられます。
睡眠不足は疲労回復が十分にできない上、高血圧・糖尿病等、動脈硬化を引き起こしやすい生活習慣病の原因になるとも言われています。さらに睡眠は脳を休めるためにも大切なため、睡眠不足は脳の機能が低下してストレスに弱くなります。
多忙で睡眠時間を確保できない場合は、少しでも睡眠の質を高める工夫を試してみるのも良いかもしれませんよ。

・シャワーではなく、湯船に入りましょう。
就寝前に少しでも副交感神経を優位にして睡眠に入りやすくする事は、身体の回復につながるため、ストレスによる尿酸値上昇を少しでも防げたら良いですよね。
疲労回復やリラックスに入浴は良い方法の1つです。一方、シャワーでは不十分です。
湯船に入り水圧がかかる事で、血流を良くし筋肉疲労の回復につながり、浮力により筋肉の緊張がとけてリラックスにつながります。
また、水温が40℃を越えると交感神経が優位になってしまうため、10~20分入っても熱くない40℃以下で半身浴をすると、副交感神経が優位になり、睡眠に入りやすくなります。入浴.png

食後は胃に血液が集中するのに対し、入浴は身体の表面に血液が集中するため、食後すぐの入浴は消化不良を起こすとも言われています。就寝から食事を離す事を優先させると、帰宅後に夕食、約30分食休みをとり入浴となると就寝時間が遅くなってしまいます。睡眠時間を優先させたいため、帰宅後すぐに入浴し、夕食をした方が良いとも言えそうです。

・睡眠の質を高めるために食事で工夫出来る事。
消化時間.png睡眠の質を高めるためには、胃での消化が終わっている事がポイントです。
胃での消化時間は3大栄養素によって異なります。(右表参照)
遅い夕食には、油(脂)が多い料理や食材は避けた方が賢明と言えます。

 ・揚げ物(天ぷら・から揚げ)よりソテーや焼き料理
 ・オイル入りドレッシングよりノンオイルドレッシング
 ・挽き肉料理は水切りした木綿豆腐やおからを加えると脂肪分を抑える事ができる。
 ・挽き肉を使用する場合は、鶏肉を使用する。

前述の入浴後に夕食の方法では、胃での消化が終わらないため、やはり睡眠の質が高まらないという事になってしまいます。そこで食事を2回に分けて、寝る直前に食べる量を抑えるというのはいかがでしょうか。
・早めの時間帯にご飯(おにぎり)を食べ、帰宅後に脂質を抑えたおかずと野菜料理を食べる。

また、カフェインは覚醒作用があるため、就寝前のカフェインが入った飲料(コーヒー・緑茶・ウーロン茶・紅茶・ココア・コーラ・栄養ドリンク等)は控えた方が良いと言えます。またアルコールは寝つきは良くなりますが、眠りを浅くしてしまうため、ほどほどに。"アルコールの種類に関わらず、尿酸値は上がってしまう...。"もご参考に。

・その他に睡眠の質を高めるために出来る事。
睡眠は約90分の周期で深い睡眠(ノンレム睡眠)と浅い睡眠(レム睡眠)を繰り返します。
疲労回復に関わっている成長ホルモンは、眠りに入って30分~1時間後に表れる徐波睡眠(ノンレム睡眠の中でも、特に深い眠り)時に多く分泌されます。
つまり、昔言われていた22時から2時に分泌される訳ではなく、就寝時間に関わらないという事です。
睡眠の質が高いと深いノンレム睡眠が発生し、成長ホルモンがより分泌されます。(トレーニング後の分泌量よりはるかに多い量が分泌される。)

レム睡眠:大脳皮質は興奮しているが、身体はリラックスしている。
     身体の疲れを取るのには欠かせない眠り。
     寝返りは打たず、瞳が動いている。
ノンレム睡眠:大脳皮質の活動が鎮まり、脳が休まるが、身体はそれほどリラックスしていない。
       精神的なクールダウンが行なわれている。

スマホ.png睡眠の質を少しでも上げるために習慣的に気を付けたい事には以下が挙げられます。
・休日に寝だめしない。
  (
寝だめは生体リズムを狂わせてしまう。)
・部屋の照明は蛍光灯より、白熱灯のような暗めにする。
  (暗くなると睡眠ホルモンと言われる"メラトニン"が分泌され、眠りに入りやすい。)
・パソコン・携帯・テレビのような明るい光を目に入れる事を控える。
・就寝前にストレッチをする。
  (副交感神経を優位になる。一方、筋トレやジョギングは交感神経が優位になりやすい。)

・グリシン(アミノ酸)が徐波睡眠に達するまでの時間を短縮する!?
具沢山スープ.jpegグリシンは普通の食事をしていれば、不足しないアミノ酸ですが、手足の血流を良くして、体内深部の体温を下げるため、眠りに入りやすいそうです。
グリシンはゼラチン(動物の皮膚・骨に多く含まれる。)やエラスチン(コラーゲン繊維を支える役割がある。)に多く含まれているため、食材では魚介類(銀だら・イカ・ホタテ・カニ・カジキマグロ等)や牛肉・鶏肉に多く含まれています。
という事は、肉や魚からコラーゲンが染み出たスープ料理は、グリシン補給にも良いという事ですね。早めの時間帯におにぎりを食べ、帰宅後に骨付きの鶏肉をだし汁兼具材にして、野菜たっぷりにした夕食はおかず+野菜を兼ね備えた、そして脂質も少ない料理になりますね。尿酸値を上げないために、旨味調味料は加えない方が良いですよ。

ストレスで交感神経が高まっている状態を少しでも副交感神経を優位にさせる工夫や睡眠の質を高める方法をいくつか並べてみましたが、ストレスが原因で尿酸値が高いのでは?と感じている方は、出来そうなことから試してみてはいかがでしょうか?

おおかみ

  さん

睡眠の質は大事ですよね
どんだけ気を使っていても、モデルさんとかアイドルの方は結構肌が荒れていたりするので、睡眠はやっぱり大事だと思います

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