ラーメン.png先日、尿酸値が高く、さらにダイエット志望の男性に"ラーメン好きなんだよね。昼にラーメンを食べる事が週3はあるんだよね。でも、ラーメン駄目だよね。"と開口一番に言われました。
私は"毎日でないなら、ダメとは、ひとまず言いませんよ。ライスを付けていなければ..."と伝えました。すると...
"え!ラーメン食べて良いの?良かった~ただ...ラーメンにはライスでしょ...でも、それで痩せるなら"と自問自答のように呟いていました。

油・砂糖の量を見直した次に気を付けたいのが炭水化物です。
最近では"炭水化物抜きダイエット""低炭水化物ダイエット"等と表現し、患者様の中でも実践されている方も多いように感じます。

炭水化物のとり過ぎは、内臓脂肪が増加しやすい。
男性は内臓脂肪がつきやすく、ズボンのベルトの位置部分が増減しやすいですよね。内臓脂肪.png
一説には狩りをしていた大昔、獣にガブッとされても内臓脂肪が器官を保護しやすく、内臓脂肪が貯まりやすい男性が多く生き残り、男性は内臓脂肪が貯まりやすい人が多いという説もあります。
メタボリックシンドロームの腹囲の判定基準は、成人男性85cm以上・成人女性90cmと男性の方が厳しい基準なのは、内臓脂肪が増えると動脈硬化のリスクが高まりやすいため、内臓脂肪がつきやすい男性の方が厳しいのです。
内臓脂肪は炭水化物を抑えると落ちやすく、運動ではウォーキング等の有酸素運動で落ちやすいです。一方、炭水化物のとり過ぎは内臓脂肪(と血液検査では中性脂肪)が増加しやすいです。
これまで、ラーメン+ライス・お好み焼き+ご飯のように1食に炭水化物を2品以上あるという方は、まずはどちらか1品にすると内臓脂肪が落ちやすいと言えます。

ちなみに... 閉経前の女性は皮下脂肪がつきやすく、太ももからみぞおちにかけてつきやすいため、体重増加すると太ももの太さや腰の辺りで変化を感じます。
一説には、男性が狩りをしている間、集落で家族子供を守り、保温に長けた体質の人が多く生き残ったため、女性は皮下脂肪がつきやすい人が多いという説もあります。
皮下脂肪は食事と運動で地道に落としていくしかなく、内臓脂肪のように、これをしたら落ちやすい!という物が残念ながらありません。

炭水化物を減らしすぎると筋肉が落ちてしまう。さらに、体臭までも...
栄養指導をしている際、ご飯を抜きすぎている方が席に座ると、一日を通して炭水化物を食べていないな...と体臭から分かる事がよくあります。

脳のエネルギー源は糖質のため、糖質を切らす事はできません。
エネルギーを生み出すには3つの回路があります。代謝.png

第1の回路 解糖系
 糖質(炭水化物)をとると、グリコーゲンとして肝臓と筋肉に貯蔵されます。
 (過剰にとると中性脂肪として蓄えられてしまう。)
 肝臓に貯蔵されているグリコーゲンは脳のエネルギー源です。
 不足すると低血糖を起こし、集中力低下・無気力の原因・イライラにつながります。
 筋肉中に貯蔵されているグリコーゲンは、運動中のエネルギー源です。
 不足すると運動が継続できなくなります。(運動の話は、また別の機会に)

第2の回路 新糖生
 糖質不足になると、やむを得ずたんぱく質(筋肉)を糖に作り替えてエネルギー源とします。
 過度の炭水化物抜きダイエットは筋肉が落ちやすく、筋量が減少する事で代謝が落ちリバウンドしやすいとも言えます。

第3の回路 ケトン体回路
 中性脂肪(皮下脂肪や内臓脂肪)が分解し、運動時のエネルギー補給をします。
 脳のエネルギー補給のために、中性脂肪を分解したケトン体(アセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸の総称)をやむを得ずエネルギー源とします。
 この代謝産物であるアセトンが体臭の原因となり、甘酸っぱい独特の臭いがします
 そのため、過度の炭水化物抜きダイエットはケトン体が過剰に作られ、口臭・体臭の原因になってしまいます。

ご飯は大盛り・お代わりをしているという方は、まずは毎食のご飯を1膳に、1食に炭水化物が多い料理(ご飯・パン・麺・芋類)を2品食べているという方は1品に抑えてみませんか?
1食に炭水化物を全く食べないのであれば、寝る前の食事なら、その後の活動量が少ないため良いかなとも思います。
このような理由で、私は週3の昼のラーメンはライスなしなら...とお伝えしたのです。

ご飯に玄米・ビタヴァレーを混ぜて炊くのはお勧め!
食事で不足しやすい栄養素の1つにビタミンB1があります。
ビタミンB1は、炭水化物の代謝の補酵素として働くため、ダイエット中は積極的にとっておきたいビタミンの1つです。水に溶けるビタミン(水溶性のビタミン)のため、体内に貯めておく事が出来ないので、毎食にとっておく事が大切です。とり過ぎても尿と一緒に排泄されます。米・麦.png主食であるご飯の量を減らすのであれば、特にビタミンB1を含む穀類を混ぜておくというのも1つの手です。
ご飯に五穀米を混ぜて食べているという方もいらっしゃるかもしれませんが、ビタミンB1という観点では玄米が勝っています。(五穀米に含まれる穀類は企業によって異なるが、キビ・ヒエ・アワ・ハト麦が代表的。)

ビタミンB1を多く含む食品の代表が玄米・胚芽米です。最近、大麦が話題ですが、βグルカン(水溶性食物繊維)が多く含まれており、ヒトでは高コレステロール血症におそらく有効・胃がんに対して有効性が示唆されると国立健康栄養研究所は発表しています。(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail111lite.html

大麦も米にうるち米・もち米とあるように、うるち麦ともち麦があります。
うるち麦はアミロース・アミロペクチン(粘性が高くモチモチした食感)がありますが、もち麦はアミロペクチンのみで構成されています。
 押麦:うるち麦を押しつぶした物。(水の吸収を抑止、米と一緒に炊けるように加工してある。)
 もち麦:粘りが多く、モチモチした食感が特徴。うるち麦よりβグルカン(水溶性の食物繊維)が、やや多いのが特徴。
 ビタバァレー:押麦にビタミンB1やB2を添加した麦。(ビタはビタミンの略+大麦を英語ではBaley(バァレー)

麦ごはん.png<麦ごはんの作り方>
 材料(3~4人分)
  米 2合(300g)
  大麦 50g
  水 400cc
 ①米をいつも通りに洗い炊飯器に入れる。大麦を加え、水を加え、30分浸水させ炊飯する。
 ②炊き上がったら、10分蒸らし、全体をほぐす。
米の味を邪魔せず、ちょっとした食感の違いがある位で、これで寿司を作っても問題なく美味しいですよ。

  さん

炭水化物抜いて6パック作れたし、すこぶる健康です。
やっぱ米って害悪ですね。

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足痛い

  さん

炭水化物抜きダイエットで6ケ月で10キロ減りました。男性向きですね!

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つかさ

  さん

こんにちは。わかりやすい説明図をありがとうございます。
ビタミンの働きは大きいですね。
ダイエットと聞くと、運動か、極端な食事療法を
連想しますが、結局はバランスの良い食事が大切と
いう結果になりますね。
ビタミンB1のおすすめ摂取方法なども
お話し頂きましたので、ぜひ試してみたいです。

ラーメンとても美味しそうですね!

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  さん

炭水化物ダイエットというのをよく耳にしますが、全くなくすのも良くないんですね。
適量を摂取することが一番いいとはわかっているのですが、なかなかうまくいかないです。

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ココア

  さん

炭水化物ダイエットをよく耳にしますが、デメリットも知ると何でも、やり過ぎはよくないですね。
筋力が落ち、リバウンドの原因にならないよう、自分がどのくらい炭水化物を取っているか再確認してみます。
身近な内容で、とても参考になります!

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きりん

  さん

食欲の秋という事で、ついつい食べ過ぎてしまう季節ですね。
麦ごはんの作り方を記載して頂いたので、白米から麦ごはんにチェンジしてみようと思います!

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ぴーなつ

  さん

最近、お腹まわりと太ももを見て、体重の増加を感じました。
有酸素運動をしないと、と思いつつまだ動けていません…
寒くなる前に、動き出します

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coco

  さん

最近食べ過ぎて体重が増えてきているので主食の量を調節しないといけないなと思うのですが、食欲が収まりません。
五穀米で食べながらダイエットできるならぜひチャレンジしてみたいと思います。

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しろくま

  さん

ビタミンB1の力はすごいですね。
今後の食事の際には、玄米・発芽玄米・ビタヴァレーを活用して
炭水化物の代謝をコントロールできるようにしていきたいですね。

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